二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡と刀、その5。

2012-05-26 10:08:20 | ■工房便り 総合 
刀鍛冶が仕事を始めます。

まず100ミリ角ぐらいの板の上に、取り分けた鋼の部品を並べます。

これを、真っ白になるくらいの火力で、熱します。

真っ白ぐらいに見える、温度というのは1300度以上です。

ちなみに、鉄を熱すると色が温度によって変わります。

最初にあずき色、800度位、次に赤くなります。これが900度位、徐々に色が黄色みをおびて、オレンジ色になった時に、1000度くらいです。
黄色くなれば、1100度、更に白くなってきて、1200、更に真っ白に光り輝くようになると、1300度くらい有り、半分ぐらいは溶けた状態です。

この時に、大槌(10キロ)で軽く押さえこみます。すると鉄の表面が溶け合います。

更に続いて大槌で、思い切り頭上から叩きこみます。

すると、板に載せた鉄同士が密着して融けあいます。

次には、それを長く叩きのばし、二つに畳みます。

これこそ、二本刀の真骨頂でしょう、畳んで畳んで、16384枚ぐらいに重ねていきます。

この間に不純物が取り除かれます。

この間二胡作りは何をやっているかというと、木を乾かしています。

日の当らない、温かな天井に近いところに、桟積みして、待っているのです。

木を育てるのです。時々水をやります。多少の湿気を表面に与えると表面だけが急に乾くと言う事が少なく、内部からゆっくり乾いて来ます。

木工屋の基本は待つ事なのです。

製材して乾かし、荒く削って乾かし、胴に作って乾かし、棹に穴をあけて乾かすのです。

二胡作りはその間その他の事を勧めます。

まず蛇皮の仕込みです。

4メートルもある蛇皮を、尻尾の方から、5、6枚、160ミリ角に切り落とします。

それから、水につけます、1昼夜待ちます。

そして、皮の内側に付いている脂肪分を取り除きます。

刃物を立てて、少しづつ削って行くのです。

それから、伸ばします。

伸ばして乾かし、また水につけて伸ばして乾かしこれを4回厚い物は8回繰り返します。

待つ時間は、2日です。

待つ時間というのが沢山あるおかげで、このブログも書けますし、インテリアの木工も出来ます。

又糸巻きの粗削りなども出来ますし台の製作なども出来ます。

以前作った二胡の花窓なども作ることができます。

当然、お預かりした修理品などもこの間にやるのです。
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