二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

初めてのバイオリン。

2012-08-29 09:37:13 | ■工房便り 総合 
バイオリンの注文がきました。

初めての注文です。

ついでにというか、修復の話も来ました。

明治25年ぐらいの日本人の製作のバイオリンです。

120年ぐらいたっています。

名前は入っていませんが、その頃バイオリンを作っていた人というのは、スズキさんぐらいでしょう。

何人かの手に渡って、戦火の中をも潜り抜けてきたものですから、製作者の名前も伝わってはいませんが、いつ頃どなたが持っていたというのはわかっていますから、120年前というのはかなり確実だと思います。

それと日本製というのも、本当です。

なぜなら、バイオリンの裏板が、日本のいたや楓ですから。

いたや楓というのはメープルにかなり近いものですが、メープルよりも硬く、重い木です。

木目もメープルよりも緻密ですから、裏板の虎斑もとても長く綺麗に出ています。

むしろしつこいかなというぐらいですね。

側板も歪み、裏板にも亀裂が入りかなりな重症です。

バイオリンに関してはまだ海のものとも山のものとも分からない私の技術を信頼していただいて、この大切な楽器を預けていただいたことに感謝です。

その上、新作の注文です。

未だ完成品が無いにもかかわらず、バイオリンの途中経過を見ての御注文です。

物作りとして、これはとんでもなく光栄なことです。

最近迷っていたことに(私でも迷うこともあるのです、爺ですが)背中を押された感じです。

というか背水の陣です。(ちょっとオーバーかもしれませんね)

今年に入ってそれこそバブル期の様な忙しさが続き、その上100kgが上がらなくなり、先日現場で5階まで12回の上り下りに、息をはずませるようになっては、これは考えなければなという時期に来たと思っていたところでした。

そのうえ、先日劉継紅先生にお会いして、「昨日の楽器の皮張りはあれは良かった、音色も良いし」とお誉めを戴き、「そろそろ売るということも考える時期ですかね」という私の質問に即答。

「もちろん、弾きやすい楽器ですから、弾きやすい楽器沢山作って日本人に弾かせてあげて下さい、子供のころから、胡弓(先生は二胡のことを胡弓と言います)を弾いてきたのではない日本の演奏家には、西野さんの作る楽器はとても良いのです。私はいつか、日本人の作った楽器で日本人の演奏家を育てて中国で演奏して欲しいのです、日本に20以上生活して来た私の気持ちです」

とのこと。

そこで、二胡の販売というのを少しは進めることを考えてみようかとも考えていますし、その前に先ず調整という物の大切さを知ってもらうというのも有ります。

これだけ二胡を調整できるならば、作った物も信用できるかなとでも思っていただければう嬉しいです。

特に、先生に皮張はもう一級品と言ってもらえ、なんだか安心して人様にも進めることが出来るとは思います。

日本製の二胡等、人は不審に思うだろう、とか、どのように批判されているのかなとか、顔に似合わず意外と心配性で、ご来店の方で縁があれば、と細々と販売して来ていましたが、(今まで購入された方の勇気に感謝します。)いま、先生とバイオリンのお客様に背中を押され、最近お店にいらっしゃる、プロの演奏家の方の反応を見ていても、そろそろちゃんとHPにも二胡の販売というのを金額を乗せるようにしようと考えています。

本業にしようと言ってもそれくらいで、あいも変わらず、通販というのは考えていませんが、

試し弾きというのは、またやっていただこうと思います。

1週間なり試し弾きでお貸しして、、、、という方法はどうだろうか?など、など、結局は、お顔を見て試してみていただいて、というのにはこだわりますね。

その前に、今の注文作り上げてしまわねばですね。

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