二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

昔の二胡は高音が良く出ていたように感じます。

2023-03-18 12:22:59 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
最近皮の張替えが多いというのは以前に書きました。
かなり古い楽器が多いです。18年20年と相当弾きこんで、鳴りにくくなった楽器たちです。
中には初心者のころに弾いていた、紅木だけれどちゃんと鳴らしてあげたくなって、CDMにしてほしいという方もいらっしゃいます。
いずれにせよ、その頃に作られた楽器がそろいも揃って、皮を張り替えると、張り替えたばかりにもかかわらず、とても高音部までよく鳴るのです。
多分今の皆さんの常識では、新しい楽器はしばらく弾きこまないと高音部までは出てこないというのが、常識としてあるのではないでしょうか?
これらの、古い楽器実は少しだけ、現在の物とは構造が違うのです。
又大きさも小さいです。
殆どが、胴の直系で90ミリ以下。
今皆さんが最近購入された楽器はほとんど92ミリ以上あるとおもいます。
また、胴の一番薄いところの場所も以前の物とは変わってきてしまっています。
そして、直径が小さいと皮が張りやすいのです。
たかが2ミリと言いましても、相当張り具合が変わります。
均一にも張りやすくなります。
いつのころからでしょうか、二胡の胴の直径がどんどん大きくなってきていまして、最近では94ミリくらいあるものも増えてきました。
ところが、変わっていないのが、胴の木の厚みなのです。
胴の木は、二胡の音色を実現します。
直径に比例して木の厚みがあるべきなのではないかと思います。
ヴァイオリンなどの裏板は4ミリくらいです。胴の長さは355ミリ前後です。
このままの厚みで、ヴィオラを作ったとします。胴の長さは短いものでも380ミリ長いものでは430ミリくらい(ヴィオラは大きさが決まっていません)
そうするともう雑音の塊、特にウルフ音は凄くなります。
最近の二胡にウルフ案の出る楽器が多くなってきたのにはこのように銅の直径と木の厚みが合わないこともあるのです。
また、直径に対して必要な木の厚みがないので、音色が十分な気がしないのです。
。古楽器の持つ二胡の音色の美しさが聞こえてこない楽器もおおくなったような気がします。
鳴りを大きくする音を大きくするという事が二胡の命題の一つにあったとは思います。
しかし胴を大きくしたからと言って振動が大きくなるとは限りません。
音が遠くに届くとも思えないのです。
皆さんもアービンの弾く演奏を聞いたことがあると思います。
あの楽器アービンが録音を頼まれたときに、その辺の楽器屋さんでちょっと買ってきた楽器だと記録されていますね。
弾きこまれているわけででもなく、それほど名器を買ってきたわけでもなさそうです。
その上、まだスチール弦だったのではなく、絹弦だっとと思うのです(これは記録にありませんので、時代的にそうだったはずと私が思っているだけですがおもっているだけですが)
にもかかわらず、あれだけ高音部まで出ていますし、当時録音技術が今より良かったとも思えませんし。
そんなこんなを考えさせてくれる、二胡の皮の張替え続いています。
もし、みなさんが20年くらい前の楽器をお持ちでしたら、大事に使ってやってください皮は張り替えられますが、木の部分は作り替えはききませんから。

さて、明日は富士市の調整会です。一台持っていきます今回の小葉紫檀と花梨のヤマト二胡。弾いてみてください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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