二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡やってはならぬこと、その9が有りました。

2013-06-10 09:47:36 | ■工房便り 総合 
紙やすりで、毛場だった鱗を削らぬこと、、、、、、

これはやってはならぬことの究極かもしれません。

さんざん、ブログで書いて来ましたように、二胡の独特の鳴り方は蛇皮にあります。

蛇皮は柔らかな普通の皮と、硬いうろこの二重の組み合わせです。

ですから複雑な鳴りになりますし、普通の皮より伸びにくいものです。

しかし、ほんとに稀ですが、冬場の乾いた時に鱗が経つのが嫌だと言って、これを紙やすりで削ってしまう方もおられます。

私の知っている限り、3人だけですが。

或る二胡の有名な中国人奏者さんと、光舜堂のお客様、そして私。

私の場合は蛇皮をどのように加工したらどのようになるかを研究する為ですから、これは許されます。

有る中国人の奏者さん(女性)は、見た目が嫌だと、削りました。

これは論外、この方は教室を持っています、もしこの鱗を削るということを生徒に教えているとしたら、、、、

。。。。

もう一方も自分なりにこの鱗が経つ状態は嫌だと削られたようですが、元々物を作ることがお得意な方ですので、有りうるかなとは思います。

そのほかこの方のやったことの一つに、新たに購入した蛇皮が硬く、以前の使い込んだような音がしないということで蛇皮を、強くもみ込んだようです。

当然、蛇皮は、あちこちがバラバラに、柔らかくなっていました。

確かに蛇皮が柔らかくなると、音は柔らかくなりますが、、、自然に弾きこんで柔らかくなるのとは違います。

弾きこんで柔らかくなると、全体に自然に伸びて来ます。

指などでもむこととは違います。

無理やりやれば皮の繊維質を痛めてしまいかねません。

この事は、慣れない人はやらない方が良いです。

但し私はやります。

部分的に変な具合に、伸びて来てしまった蛇皮の修理の時には、伸びていない所を、弦を弾きながら少しづつ、押していきます。

すると少しは雑音なども解消されますが、皆さんはやらないでください。

それから二胡のメーカーによっては最初から、音を出しやすくするために柔らかい音を出す為に、電子振動機を使って蛇皮を柔らかくしている会社もあります。

何処とは言いませんが、これはやはり自然ではありません。ですからあっという間に音がだれてしまいます。

オイルを塗る方がまだまし、というような状態です。

もちろんオイルを塗るなどとんでもないことです。これを書いてある本が有るということですが、、、大変問題です。

皆さんにやって欲しい事は、みなさんが良く言うウルフ音、第2ポジションの、音の裏返りが、新しい皮の場合に出ることが有ります。

この時には、弦を強く押さえながら、とんでもなく強く弾きこむのです。

思いっきり強くです。

それをしばらく続けると、裏返り音は緩和されることもあります。これは弾き方にもよりますので、それと弦の押さえ方ですね。

でもそれほど皮を痛めるわけでもないのでやってみて下さい。

二胡のやってはならぬこと、

その9。

蛇皮の立った鱗を取ろうとして、紙やすりで削らぬこと。

その10。

蛇皮を指で揉まぬこと。
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