新・光舜堂、浄化済みです。

「もしかしたら、近いうちに壊れるかな、、、壊れる、、な」

この、予感ではなく確信に近い予知が、
まさか、たったの５分後現実となって訪れるとは！


光舜堂お引越に際して掃除機を新調してもらい、
ルンルン気分で翌営業日の準備をしに宇田川町へ出向いた土曜の午後、
この準備を甘く見過ぎていたと後悔するには、時間はそうかかりませんでした。

事のはじまりは、１０８城の新人若武者 丸之内君(仮称)の現場工事中の配慮の欠落から。
￥バー側（不健全部屋）の工事をお盆前に少しでも早く進めようと急いだ彼は、
二胡屋道具一式を部屋の隅に寄せ集めてシートを掛けて保護しただけ状態の健全部屋（二胡屋側）で、
養生シートも追加せず、じゅうたんの床にもビニールシートも敷かずに、
大胆にも電動ノコギリをそのまま使うという超速作業に打って出ました。

ま・る・の・う・ち君。。。
君は、二胡屋が今週も開くんだって事を全く考えていなかった。。。？

ご想像の通り、結果、部屋は木屑だらけです。
それも、ハンパなく。。。
当然、二胡屋道具を保護するシートにも木屑は容赦なく積もっています。
丸之内。。。きれいなカーペットの上で電ノコ直に使うかな、普通。。。

でも、大丈夫、なんてったって昨日買ったばかりのサイクロン掃除機が味方ですもの！
おおぉ、白いボディが眩しいわっ！新品ってステキ！！
過酷な労働が約束された掃除機だからと、憧れのルンバもダイソンも諦めたけど、
それでも新品Ｐ社のサイクロン掃除機も輝いています。

さて。

１０８城のお掃除大臣ほぉ の片付けの鉄則は、「掃除は隅っこから」。
本来なら一番部屋奥の角から手を付けるところですが、今回は試しに入口、
しかも、それほど木屑も埋もれていなさそうな、割とキレイ目な一角からスイッチ・オン！！

おおぉーー！！

感動的なパワーです！
オートで吸い込み口のローラーが回り、
オフィス用ブロックカーペットの隙間に入り込んだ目には見えない埃と木屑を
掻きだすように吸い込んでいきます！
だがしかし、
静かなのがウリのはずのモーター音が次第にアップし、あっという間にフィルターチェックの赤ランプ。
その度にタンクを開いてゴミをポン！フィルターをチャチャっと掃除。
紙パック式でない分、手軽で便利っちゃ、便利なのですが、
それにしても開く頻度が１分ごとでは お話しにならない。
家庭用を業務用のごとく酷使するんだもんなぁ。。。寿命、短そ。。。
しかも、モーター音のボリュームアップのスピードは尋常では無く、
大音量も最終的には悲鳴のよう。

（これ、明日壊れてもおかしくないな。。。）

そう思ったその時です！

バチっ！！

不吉な音と同時に掃除機が止まり、ウンともスンとも言わなくなりました。

え？ え？！ ええぇーーーー？！

昨日買ったばかりの新品サイクロン、まだ、正味５分間くらいしか使っていません。
かけた範囲は７０センチ四方くらいの角っこだけ！

「嘘だ。。。」





夕方ここで合流するはずの別行動のボスは、現場でトラブルが勃発したらしく、
電話で掃除機故障を訴えても、
それがどうした、こっちは大変なんだ、くだらない事で電話するんじゃない、自分でなんとかしろ状態。
えーえー、そうでしょうとも、
今現場で起きているトラブルに比べたら、たかが掃除機ごとき。

でもねーー、だから工事が落ち着くまでは営業休もうって言ったんですよ！！
こんなにお盆前に本業が詰まって皆も大変な時に、こっちの工事も詰め込むなんて無理がある。
二胡屋休んで落着いて工事してれば、
じゃまな二胡屋荷物に気がねせずに電ノコだって存分に使えて作業効率も良いでしょうに！
と、怒りの矛先は、何が何でも二胡屋を閉めないボス（店主）に向く。

「遠方からも突然いらっしゃるからね」

そーですけどっ！

あー、もー、ここの二胡すべて叩き壊して逃亡しちゃおうかしら！
まーるーのーうーちーーー、なんでカーペットに直に木屑落したんだよぉーーー。。。

濡れ雑巾でカーペットをガシガシしごいて木屑を寄せ集め、
塵が集まった所をガムテープでぺたぺた貼り付けて取るという地味な作業。
（あ、言い忘れましたが、水道はまだ使えません。濡れ雑巾はペットボトルの水をちょっとずつ浸して作ります。
当然、濯げないから、雑巾は使い捨て。もったいなーいーーー！）

あー、なんでサイクロン壊れる前に一番汚れ酷い場所を吸いこんじゃわなかったんだろう。。。
あー、隅からが鉄則、だなんて、私ってバカバカ。。。
まぁーるぅーのぉーうぅーちぃ～～～。。。

「あ”ーーーーッ！」「ガァーーーーッ！」「ギィーーーーッ！」
半獣化し、吠えながらひたすらカーペットをしごきガムテープをちぎる繰り返し。。。



と、

部屋の角の白い塵をしごこうとして、ふと気付く。
「あ、これ、お清めだ。。。」
塵と思ったその白い粉末は、
先週、移転開店準備後に店主自ら塩とお酒と真言で清めた、開店儀式の名残でした。

すると、ふーーーっと、
邪気が抜けたと申しましょうか、沸き立つ怒りの血が静まったと申しましょうか、
不思議ですねー、“ほぉ魔物化現象”がピタリとストップいたしました。
（いやーーー、お清めしておく事って大事ですよ。。。）

更に、ほぼ全体が手作業によりキレイになった終了間際、
駄目元でもう一度サイクロンのスイッチをオンしたところ、なんと、普通に動くのです！
なに？え、なに、これ？！今更動く？？？

これも、お清め効果でしょうか？？？





深夜、全てを整え終えてクタクタで工房へ戻ると、
トラブル現場へ行っていた一行のトラックもちょうど到着。
老体に鞭打った大殿はもちろんのこと、若衆まで一同ゲッソリ顔。
ものを言う元気も残っていなさそうな様子に、もう一度言ってみる。

「今からでも決定遅くないですよ、明日の二胡屋休みません？」

それでも、ボスは首を縦には振りません。


翌日曜日、

ご予約０、だったはずの光舜堂には、
静岡県と広島県から各お一人、
飛び込みでフラリと、二胡という楽器をよく知らなかったご近所のお二人、
を含む、多くの方々が予告も無くいらして下さいました。


これも、お清め効果でしょうか。