それでも出張調整会に出向く理由（わけ）

HPにお知らせを出しましたが、
見ていない方もいらっしゃると思うのでこちらにも。

来月６月１２日と、再来月７月１７日の日曜日は、
万世橋店舗での営業はお休みします。

それぞれ出張調整会で、来月は金沢、再来月は静岡に行くからです。
（募集は終了しました）



正直、出張調整会は赤字です。
「交通費や宿泊費を請求して下さい」
とおっしゃって下さるご依頼者さんもいらっしゃいますが、
どなたからもいただいていませんから、と毎回辞退しています。
しかし実状は、交通費も宿泊費も、ワタクシが同行しますから2倍かかります。
（店主が独りで行けるとせめて半分で済むのですが、無理そうです）

その上、利益はありません。
頑張っても１２人位しか診られませんし
（２５人診た事は有りますが、後で倒れました）
そして調整料は\３０００（税別）です。
人によっては高額駒を使いますが全員ではありませんし、
以前は税金分はいただいていなかったり、会員さんが来れば無料でした。
交通費にもなりません。

更には、
以前は土曜日調整会、日曜日は万世橋、という強行営業をしていましたが、
出張調整会へ出ると店主はヘトヘトになり、
戻ってから直後の本業に必ず支障をきたします。
疲労から来る歯痛や、バリバリの身体で医療費もかかったり。
なので、出張調整会に出掛ける週は、
万世橋での営業をスッパリ諦めることにしました。
ですから、日曜日営業できない分もマイナスになるわけです。


それでも出張調整会へ行くわけは、、

実際に目の当たりにしないと、信じられない、解らない、
ブログを読んでいるだけじゃ、どの程度の効果なのか解らない、
興味有るけれど日曜日しかやっていない遠くの店でしかやっていない、
という『光舜堂の調整』の絶大な効果を知って欲しいからです。

他店や、自身で調整をする内外のプロの演奏家さんがする調整を
受けた方はいらっしゃるでしょう。
しかし、西野の調整はその方々の調整とは方向性が違います。
音色は好みですから、ご希望ならそのやり方も西野には出来ますが、
西野が、光舜堂が目指す調整とは、
其々の、１把１把違う、木、皮、構造、育ち方、
ひいては持ち主の弾き方の個性に合わせて、その楽器を最大限に活かす調整です。
紫檀は紫檀らしく、黒檀は黒檀の、音色を輝かせる調整です。

たくさん千斤を巻き付け過ぎたりフェルトを詰め過ぎて
無個性に音を止めてしまっている楽器を西野が調整して解放すると、
音色が伸びやかに響き出し、棹が途端に鳴り始めるので、
その初めて体感する棹の振動に驚く方も多いです。

雑音の原因を突き止め、問題を解消した後の音色に、
付き添いでいらしたご主人や奥様の方がビックリする事もよくあります。

先生しか出せないと思っていた音色が出せた！や、
ここはもう出ないと思っていた高音が出せた！の感動、
松富士駒がどれほどご自分の二胡を蘇らせたか、
は、
残念ながら『出張調整会』という形で出向いて行かなければ
ご理解いただくのはとても難しい事のようです。

ですが、この感動を知っていただきたい、
ご来店下さった方々が「練習が楽しくなった！」と喜んで下さる喜びを、
もっとたくさんの方々に感じて欲しい、

唯々、その一心ですね。

というか、一心なのは西野だけで、
赤字にブーたれるワタクシは、溜息尽きつつ、
揺るがない店主の信念に諦めモード。。。

ただ、「調整会に来て下さい」とお呼びいただける、というのは、
主催者の先生方が西野を心から信頼して下さっての事なので、
それが我々は本当に嬉しくて、感謝で、
それだけで「行こう！」と思えるのです。

ですから今後も、もし「是非来て欲しい！」とお呼びがかかるなら、
１２、３人の受診希望者と会場だけご用意いただけましたら、
交通費と宿代は自前でどこへでも参ります。
（あ、でも、北海道と沖縄は厳しいかなぁ。。。
西野二胡が連続で５、６把売れてからなら行けますが ー笑ー）


そんなワケでの万世橋店舗での休業日、
どうぞよろしくお願いいたします。