二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の生涯、良く鳴りますね!

2016-05-21 09:51:36 | ■工房便り 総合 
先日、8年ほど前に手に入れた蛇皮を早いとこ使わなければ、と思って二胡に貼ってみました。

貼っている最中に、切れます。

3枚駄目にしたところで残りの皮を調べてみました。

つい最近手に入れた皮と比べてみると、切れた方はかなり弾力が無くなっているのが分かりました。

子供のころから大切にしていた衣類など、あるいは紙など、

また、最初に買ってもらった皮の鞄など久しぶりに取り出してみると、

なんだかゴワゴワしているのが分かりますね。

弾みが無いのです。

酸化して、硬くなってしまっているのですね。

蛇皮も同じことなのです。

そのままほおっておくと、ずいぶん硬くなってしまいます。

沖縄の三線を作っている友人と話をしたら、

蛇皮はそのままほおっておくと、5年くらいすると大分硬くなって、切れやすくなるとの事でした。

当然、二胡に貼った、蛇皮もそのままほっておくと硬くなります。

昔購入した初期のころの二胡を弾いてみると、弾き始めはなんだか音がゴワゴワしているのに気が付きますね。

でもそのご、購入した5年くらいメインで使っている楽器は、そんなことは無くとても良く鳴ります。

やはり弾き込み続けてきたものはそれほど痛まないのかもしれません。

それと二胡に貼る時に、中国では最終的に、ワックスをかけていますから、それほど劣化はしないようです

私は、蛇皮には秘密の加工をしています。

魔法をかけるのです、(良い音で鳴れと)

反抗期も過ぎ、きちっとした調整をされた楽器は、とても良く鳴ります

季節の違いで多少の変化はあったにしろ、本当に良く鳴ります。

この時期は、たぶん、5~8年は続くのでしょう。

こんなに幅が有るのは、その弾き込み具合と、そして制作時の加工、そして蛇の脱皮の時期にもよります。

良く使いこんできた楽器は、意外とある日、突然に、

という感じで音が出なくなるようです。

これは強くなる楽器に多いようです。

比較的硬めの脱皮寸前の皮が多いようです。

何人かの方の皮を張替える時、プロで弾いてきた方は皆さんそのように、おっしゃいます。

ところがそうでもない場合もあります。

自分ではそれほどの変化を気にしないで来たのですが、ある日お友達と弾いて、

今までの鳴りと違うね、なんだかその楽器ならなくなっているね、などと言われて気が付くこともあります。

こんな感じの皮は比較的脱皮してすぐの皮が多いようです。

最初からピンとは張られているのですが、何となくふんわりしています。

まあ、そこまで弾き込まれた二胡は幸せですね。

とても良い音を皆さんに聞かせて来てくれたのだと思います。

しかしそこまで弾き込まれた楽器にお目にかかるというのは、本当に年に、2,3台です。

光舜堂に、皮の張替に来られる方の多くが、しばらく弾いていなかった楽器なのですが、

弾いてみたら昔のようにはならない、という方が多いです。

しかしこのような楽器、

皮を張替えるととても良く鳴ります。

胴の木は、音を覚えているのですね、

以前ヴァイオリンの話で、有名な演奏家から若手の演奏家に楽器が贈られ、それを弾いてみると、

以前の所有者の音がした、などということもあります。

因みに皆さん先生のメインの二胡弾かせてもらったことありますか?

とてお良い音がしていませんでしたか、

それは楽器の良さだけではないのです。

良い音を弾き込まれてきたからということの方が多いのです。

皆さん、二胡を始めてたくさんの曲を弾いてきたと思います。

中には新賽馬などひかれる方も多いのではないですか。

左手も動くし右手も早い、でも、

楽器が鳴らない!

本当に楽器が鳴ると、最初の一音で人をひきつけます。

皆さんの先輩が何か曲を弾いた時に、楽器がふわーとなりだし、あるいはパンと、

凄いな―――と引き付けられることはありませんか。

ただ音階を弾いてだけでも、

この人は、上手だなと思うのは、楽器が良くなっている時です。

なんだか速い曲をチャカチャカ弾いてみせられても、それほど、感銘を受けないこともあります。

やはり楽器を良く鳴らす人の演奏は、とても、人をひきつけます。















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