二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

蛇皮の張り替えその3。

2013-03-04 13:53:24 | ■工房便り 総合 
販売されている二胡を画像で見たり実物で見たりしますと、なんだかとても蛇皮が光っているようなのです。

蛇皮は、加工の途中で水につけますから、とても光っている状態では仕上がりません。

というよりむしろ光からないのです。

もちろん私の作った楽器の蛇皮も光っていません。

ある一社だけが私のと同じぐらいの仕上がりです。

その会社も、なるべく自然のままというのをモットーにしているようです。

蛇皮を光らせるにはいくつか方法があります。

光らせるには蝋(ワックス)で光らせる方法。

それから塗料を塗る方法。

或いはバフをかける方法。

蘇州系の大部分の物は、蝋で表面を仕上げますから、これは後で磨けば光ります。

それ以外の北京系の物で、どうもこれは蝋ではないなというのは、どうやら塗料が塗ってあるようなのです。

ワタクシとしてはこれは否定しません。

これが皮にとって良いことならば、そして音にとって良いことならば塗れば良いとは思うのです。

ただ普通の塗料というのはどうしても、劣化します。

この時に、中国国内ならば、その劣化の時の対処というのは出来るでしょうが、何が塗ってあるか分からない日本ではこれに対して対処しきれません。

その点で、蝋が塗ってあると解る蘇州系は私でも対処出来るので有難いことではあります。

いま、世界中で動物愛護の観点から、そして製品の安定度からいって、皮の張ってある楽器類がどんどん人工皮に変わってきています。

三味線も、三線も、太鼓やドラムスなども人工皮がもう主流です。

工業立国の日本としては、その点でも人工皮の開発というのはかなり進んでいます。

私自身昨年ガラスの二胡を作る時に人工的な皮膜というのをだいぶ研究しました。

既成の物或いはその複合体、新規の皮膜の開発などまだまだ奥の深い所ではあります。

いつの日にか二胡も人工皮が主力になる日というのが来るのかと思います。



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