二胡工房 光舜堂

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蛇皮の張り替え、その2.

2013-03-02 08:57:37 | ■工房便り 総合 
蛇皮を張り変えて欲しいという依頼が、このところ月に3,4台くらいも来ています。

今から梅雨までは絶好の時期でしょうね。

いくらエアコンで部屋の中を乾燥状態保っても、さすがに梅雨の時期に皮は張りたくありません。

自分の楽器でもこの梅雨の時期には皮の張りはしません。

さすがにぴんと張りきれないですから。

梅雨時は車に修理道具積んで、{二胡の修理屋でございます}と九州まで流していきますかね、途中途中で二胡の調整修理をやってあるくの夢ですね、ついでに釣りざお積んで、いいですね!修理屋ではガソリン代稼げないか?。

と、話を元に戻します。

皮を張る時期というのがあるようです。

また張る時期にもより、張り具合が変わりますね。

いくらなんでも梅雨の時期には、皮張は避けたいです。

そういう意味かどうか、最近皮の張り替えがとても多いです。

今この乾燥した時期に張り替えた皮はとても硬く張ります。

皮は張ったばかりはとても硬く、硬い音がします、相当弾きこまないと鳴り始めません。

それを嫌って最初から、少し鳴るように緩く張ると、春先の雨の時期や更に惹きこんで鳴り始める9月あたりの長雨の時期にはどうしようもしようも無いほど緩くなってしまいます。

やはりエアコン完備の一年中湿度30%位の環境を作るのが良いのでしょう。

しかし現状ではどのくらいの物がこうやって、後のことまで考えて張る時期などというのも選んでいるのでしょうか?

名人と言われる人達はマンションでエアコンの中でやっているという話も聴きます。

皮の張り方で難しいのは、この最初の硬さと育って来てからの緩み具合の兼ね合いでしょう。

最近張り替えた二胡の中で多いのは、

胴に亀裂が入って皮の所までわれてしまい、皮を張り替えるきり無くなったものが一番多いのですが、

次に多いのは、購入してから3、年ぐらいなのに、昔の二胡だったら15年以上弾きこんだくらいに緩んでしまっているものですね。

普通の状態でしたら、大体購入してからどのくらいの年数が経ったかというのは有る程度わかります。

ところが最近増えてきたのはとんでもなく緩い物や、まだ購入して一年にもならないのに、7,8年して最高になっているという様な状態の物ですね。

これらはこの3,4年とても増えて来ています。

最初から良く鳴ります。

良い音色なのです。

使いこんで7,8年経ってとても良い状態のように鳴るのですが、高音ががくっと落ちるのです。

最初からしっかり張り込んで、一度皮の張力を最大にしてから、緩く張るという方法も有ります。

この場合は、比較的高音もちゃんと出ます。

音が最初から良く鳴る二胡は、一枚の板という感じがしないのです。

皮を押してみると指で押したところだけへこみます。

普通は皮を押すと、全体に沈みます。

それが無いのです。

これが二、三年してから皮の張り替えが必要なほど緩んで来る物に多いのです。

これは多分、最初から良く音が出るようにという配慮なのかもしれませんが、、、、後々、ウチの皮張り替えが増えるだけではないでしょうか。

三番目は反対に皮が硬化しているものです。

これは最初の内には解りません。

張りたてで皮が硬いですからそれと見分けがつかないのですが、何年か弾きこんでくると皮の全体の中に硬さの斑が出てきます。

部分的に硬いのです。

これは前に書いた、熱処理の時の皮の硬化というのが出て来ているのかもしれません。







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