二胡工房 光舜堂

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良い二胡弓とは、その3

2014-07-25 08:31:26 | ■工房便り 総合 
ヴァイオリンの弓は、フロッグの後ろについている、ネジを回すと、毛の張力を調整できます。

二胡の弓にも、後ろに、ネジがついていて弓の毛を張る張る事は出来ますが、ヴァイオリンのようにぴんとは張れません。

それは竹が弱いからです。

ヴァイオリンのようにピンと張る為に中指と人差し指を、竹と毛の間に入れて張力を加減します。

右手の指が、フロッグの役割をしているのです。

それでは、ヴァイオリンの弓を二胡に使えばどうかと言うと、これがなかなかに難しいのです。

二胡には指板がありませんから、緩い弦をぴんと張り過ぎたヴァイオリンの弓では、弾んでしまって上手く弾けません。

まあなれと言うのがありますから、慣れれば何とかできるのでしょうが、、、

二胡の演奏家の許可さんは、二胡の弓をネジを一番締めた状態でかなり張力をかけて弓を使います。

それでも、中指は使っているようですから、全くヴァイオリンのように弾くという事ではないようです。

二胡のように内と外を弾き分けるような時には多少の弾みと緩みがあったほうが、弾き易いのかもしれません。

ヴァイオリンの弓は、弦の上に載せます。

ですから弓の先端に多少重い部分を作って、それでウエイトを載せやすくしているのでしょう。

あれ以上長さがあると手が届きにくくなるのと、長くなると弓毛がぴんと張りにくくなります。

長いロープはいくら力っをいれても真ん中が垂れますね。

それが垂れずに弓の毛が適度な張り具合に出来るのが、フェルナンブーコの力です。

これヴァイオリンの弓を、他の材料で作ると、毛が張り切れなかったり、弾みが無くなったりします。

一番近い力があるのが、ホンジュラスローズなのですが、今度は弓自体が重くなってしまいます。

二胡が竹を使う理由と言うのがあるのかもしれません。

ところが問題は、自然の材料そのままですから、同じ強さの竹と言うのが一つとしてありません。

同じ太さだからと言って必ずしも、同じ硬さではないのです。

これがイマイチ良い弓が出来ない理由でしょう。

皆さんも楽器屋さんに行って沢山弓を触ってみてください。まず同じ硬さのものには出会えません。

ヴァイオリンの弓もその点では同じです。

フェルナンブーコの木の芯に近い方は、硬いですし周辺部は柔らかいです。

芯に近い所を使った弓は金額も高くなります。

しかし、二胡の竹よりはその変化は少ないようです。

そうなるように削っていきますから。

二胡の弓は竹そのままです。

自然なままですから、竹を曲げてみると真ん中で綺麗に円弧になる竹と言うのが少なく、曲り方がどちらかにかたよってしまっています。

二胡の弓のこの曲がり具合の違いと言うのは、演奏にとても大きな影響を与えます、

何故かと言いますと、右手の力を先端まで均一に伝える為には、手音の方で曲がったりすると先端んにまで伝わりにくくなりますし、先端だけが柔らかいと、先端だけ、力が逃げてしまいます。

まず綺麗な円弧で曲がるのが最低限の良い二胡の弓の条件でしょう。




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