二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

9月3日(日)良い音色の肝は、やはり弓!! 11:00~17:00

2017-09-07 23:16:14 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
最近読んだ或る本の中に、【無関係】という項目の表現のたとえとして、
「コピー機に忘れられていた楽譜のように無関係」
という例文がありました。
発表会前にコンビニでコピーをとったそこの貴方、
楽譜、忘れていませんか?

(因みに、その本のタイトルは『たとえる技術』。 
”せきしろ”さんという放送作家さんの書いた本で、ワタクシのようにフザケた人間には非常にツボでした。
読書の秋に、言葉をこねくり回して遊びたい方々へおススメの1冊です)


さて、9月の1週目の営業日。
今週は皮を張替えた8角形の二胡達の退院から始まりました。

梅雨明け直前にお預かりしたつもりのYさんとOさんの二胡。
今年は長雨続きでなかなか作業が進まず入院が長引いてしまいましたが、
十分にお時間をいただけたのでキッチリと仕上げることが出来ました。
なにしろどちらも満身創痍での入院でしたから、
しかし、皮の張替えで入院する間に他の不具合全ても同時治療。
あれも直し、これも直し、と生まれ変わってのご対面となりました。
音色に関しても、張替えたばかりでもご満足いただき、
これからが弾き込みで良くなる時、とお伝えすると更に嬉しそうでした。

後は弓が良ければ。。。
Yさんがお持ちの弓はアタリでしたので、当座は毛を整えればクリア!
「毛がダメになったら、この竹なら毛だけ張替えるといいですよ」
一方、それを羨ましそうに聞いていらしたOさん、
残念ながらOさんの弓は張替え出来るレベルに無く。。。
しかし店主は、「使っている間だけでも少しでも良くなるようにしようか!」
と、その場でOさんの弓の竹を削り始めました。
応急処置ですが、それでも弓のバランスはかなり良くなり、
前よりも使いやすくなったYさんの弓。
お2人とも弓も状態が良くなりとても喜ばれていました。

ところで、調整中にお客様の弓毛を整えるのはワタクシの係です。
中国製の弓は特に毛があっちゃこっちゃに入り組んでいて、
それを丁寧に(毛束に手が直接触れないように)整えていくのは
結構手がかかる作業です。
店主がお客様に話す内容をカルテに記入するのと同時進行で
弓毛を整えないといけないので、書いたり切ったりせわしないんですが、
この作業、意外と好きです。

毛を整える、すなわち、
弛んでいらん毛が雑音を作り出していたから その毛を切る、
をすると、雑音の原因が取り除かれますから、音色が改善されます。
ただ、人によっては恐ろしく毛がスゴイ事になっているので、
(ワタクシとしてはワクワクしますが)いきなり切るとギョッとされますので
お客様にはたくさん切る事になる旨を伝えます。
(先生が、毛が多いとザックリ切って減らす教室も在りますが、
先生とワタクシでは立場違いますからね。。。先生ほど切りませんけど)

まぁ、とにかく楽器より弓の方が大事です。
皆様も弛みきった毛はカットして雑音を取り除きましょう!
と言っても、従来の製品ではその状態は長くは持たず、
徐々にまた緩み毛が出て来ちゃうんですが。。。

因みに、多少壊れて難アリの楽器でも福音弓なら音色が変わります。
また、ハーモニクスが綺麗に弾けるのは良い楽器のひとつの証明ですが、
「福音弓にするとハーモニクスが抜群に綺麗に弾ける」
というのも、福音弓ユーザーさん達からよく聞く感想ですね。



次にいらしたのは発表会直前の西野二胡。
教室へ持って行ったら初めて西野二胡を見た先生が
「それはどこで買ったの?」と驚いていたそうですが、
今週は『薔薇駒』付けて最強仕様になってますから、
発表会でドギモ抜いていただきましょう♪(笑)
「本番まで、あと2週間なんです~っ!」
と焦っていらっしゃいましたが、
「この2週間で最も上手くなりますよ!頑張って!!」
と発表会を終えたばかりの我々、実感も込めてのエール。
ホント、発表会前のラスト2週間のスパートって、凄い成長しますよね!!



さて話は変わって、この日同じく退院したHさんの二胡。
古い古いお土産二胡で、入院時は楽器も弓もボロボロの状態でした。
お肌つるつるピカピカつやつやで若々しいHさん、
(店主と同世代と伺い顎が外れそうに驚きましたが)
「もう年だから続けられるかまだわからないし」
というご意見に店主も賛同し、
「最低限に鳴らせるように直して、続いたらその時また考えましょう」
という事になりました。
「でも、弓は新しくしないとそれすら無理!弓は替えて?」

かくしてHさん、大満足の退院となりました。
ボロボロではありましたが、”古い二胡”だから元々の出来が
”今の物”よりずっと良かったので、皮を張替えたりしませんでしたが
「この出来なら今後ずっとこの楽器だけでも♪」の出来。
(と、言えるのは弓が西風になったからでもありますが)



最後にいらした会員Kさんは、超超超初期に西野二胡を
”美しさ”で購入して下さった方。
この日は登録二胡の調整でのご来店でしたが、並んでいた新作を見て
「美しい~。。。」としみじみ。
かなりの腕前の上級者さんですので、それぞれ弾いては
「音色も素敵。。。」とうっとりしていらっしゃいましたが、
店主がイチオシの音色の二胡より、見た目の、木目の美しさの方が
Kさんにとっては優先判断基準がも???
流石”美しさ”でいち早く西野二胡を手にして下さっただけあります(笑)



この日は他にも、チェリー・レッドの二胡ケースのご予約だった方や、
お電話での当日予約のご来店など、初来店の方々も。
ああ、そうそう、長崎から阿闍梨様もご来店。
(店主のお兄様の突然のご来店はレギュラー化して、もはや驚かなくなりましたw)


と、そんな感じで9月の1週目は過ぎてゆきました。
ご来店の皆様、ありがとうございました!




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