この二つの画像よく見てください。違いはゲルトの色だけではありません。
鱗の大きさが相当違います。
フェルトの青いほうは鱗が、赤いほうの半分くらいきりありません。
その上、傷だらけで、かなり痛んだ感じです。
これは、たぶん20年ほど前に作られたものでしょうね。
胴の材料も、花梨材の上に塗装という感じの、今ではお土産二胡でも売っていない感じの作りです。
この二胡の所有者は、もう一台かなり有名なメーカーの楽器もおお持ちでした。
しかし、このお土産品に見える方の音が気に入り、こちらの方をメインに使いたいと、
私にお預けいただいたのです。
音は、!
花梨ですから大きいです。
そこで少し音色が出るように、胴に手を入れて。(できるんです、最近)
もともとが大きな音の出る花梨材に、このように鱗の小さなそして薄い皮ですから。
ワーワーいう感じに音が出るのですが、
お預かりした時に、これは音色が良く鳴ると、
案の定、良い音です。
二胡は、鱗の大きさで、音が決まるなどというのは、まったくの迷信です。
皮を押してみるとその跳ね返りの良さが伝わってきます。
そして皮の各部分の跳ね返りがかなり均一なのです。
この二胡の鱗をよく見ていただくとわかりますが、
鱗は小さいけれどかなり均一なのです。
この均一さが得難いのです。
作業中に、蛇皮を伸ばしていてわかることは、
鱗そのものはほとんど伸びません。
むしろ伸びるのは鱗と鱗の間の柔らかい部分なのです。
この柔らかい部分が振動して、二胡の皮はなるのです。
まあとにかく、オークションなら、たぶん数千円で手に入るものなのですが
子のお客様は運の良い方です。
ただし、棹が昔の作り丸棒でできていますから、いずれは棹は曲がるでしょうね。
その時にはさお竹交換すればよいのです。
これだけなる二胡ですから、ブラジリアンローズの棹を付けたら、まあそれは良く響くと思うのです。
皮の件、この鱗が均一なものが良いといいましたが、、、
これは皆さんが、ネットなどで二胡を購入しようと考えた時の一つの目安にはなると思うのです。
ただし張り方の問題もありますので、それがすべてではないとお考え下さい。
蛇皮は、奥が深いのです。
あまり出回っていませんが、さらに、名器を作り出す、蛇皮というのもあるのです。
それはいずれまた!
その皮が駄目になってしまったら、元気な音を出すお土産花梨二胡になってしまうのでしょうか。ちょっとせつないです。
でも、少し胴をなにやらして音色が出るようにしてくださったとの事で嬉しい限りです。
滑音入れた音階を、黒檀(胴か竿だけ?)に西野氏製の銀糸花窓をつけた二胡でひいていた人が店内にいましたが、単なる音階の段階で二胡を二胡らしく弾ける人な上に上品&深みのある音色であんまり良い二胡しか生音聴いたことないので衝撃でした。
あと、どさくさに紛れて弾かせてもらえた店内の二胡が残る音色が深い他に弾きやすくて驚きました。
良い体験をさせてくださり、ありがとうございます。
でも弾きにくく雑音が入るのが、本来の二胡の音とおっしゃる方もいます。ですから私はやまと二胡となづけたのです。
でも本当に上手な、チョウさんのような人の音色は、普通の二胡使っても、西野二胡並みの音色になりますね。
また楽器で困ったらいつでも来てください。