もう一月以上前なのですが、ある紫檀の楽器の調整を引き受けました。
なかなか良い小葉紫檀です。
お役様のお悩みは開放弦で異音がする。
あと、棹も曲がっているので直してほしい。
とのこと、すぐに簡単かなと花窓を外してみて胴の中を見て見ました。
多少小葉紫檀にしては胴の木が薄いくらいで、開放癌の意をんの出るパターン花窓のあたりの木の薄さというのも無かったのです。
そこで、駒の質を変えたり弦を変えたりいろいろやってみたのですが、少しはよくなるのですが思ったほどではないのです。
丁度そんなところへ、レモンの家具の直しの仕事や、光舜松脂を新大久保のクロサワ楽器店さんで発売していただけるなどという事が始まり、この紫檀少しおいていたのです。
すみません遅くなりました。
レモンの椅子の修理も終わり、さて、それでは紫檀を、、、
まずは、棹を直してしまおう!!
縦方向にも横方向にも少し捻じれた感じで曲がっていたのは、これはもう木取のせいでしょう。
立にも曲げ直して、次に横にも、多少捩じりながらねじれも直して、、、
どうもこの小葉紫檀の棹とても部分的に柔らかいのです。
育ち方によって木にはそういう事もあります。
回りに木が密生していて、それが自然災害か?あるいは人工的な伐採かで、いきなり周りの木が無くなると、風当たりも日のあたりも変わります。
風当たりが強くなれば、いままで回りの木に守られていたのがいきなり風で押されるようになったりもします。
よく海べや川の淵などに生えている木が一方へ曲がっているのなど見たことがあると思うのです。
そのような木は伐採して製材して見ると、まっすぐに切ったつもりが反対に反ったりします。
又日当たりが変わると木の硬さが日の当たる方だけ硬くなります。
それらの原因で木が部分的に硬くなったり、柔らかくも(他の部分に比べて)なるのです。
そのためでしょうこの小葉紫檀の棹は部分的に柔らかかったので、そこだけ曲がっていました。
曲げを直すことで熱が掛かります、少しだけでも硬くなるのです。
兎に角一度弾いてみようと、弾いてみたら。
開放弦全く問題なく鳴るようになりました。
????
正直いって、分からないです。
でもこういうことも二胡の異音の原因の一つになるという事が確認できたようです。
木はむずかしいですね、楽器はさらに難しいです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ