外国の楽器が日本に定着するというのは、やはりメンテナンスがちゃんと日本国内で出来るという事でしょう。
先ず直すための材料の入手、その技術の習得というのが必要な事です。
二胡を日本で直すというのはそれほど問題は有りません。
紫檀黒檀というのは既に日本でも古くから使われてきた材料ですし、その技術も有ります。
三味線や三線などという、皮を張った楽器の製作もしています。
普通に形にはできます。
もう一つの問題は、楽器としてちゃんと直せるかという事でしょう。
音の問題ですね。
これも、既に胡弓や、沖縄のクーチョー(胡弓)なども有りますからこれも問題はないと思います。
古代から楽器の類は中国からの輸入ですし、それを直してきた経験というのも有るのです。
さて、二胡ですね。
この二胡に、何か楽器としてのトラブルがあった時に、現時点でちゃんと直すのは、殆ど中国に持って行って直しているようです。
とくに皮の問題です。
まれに、沖縄の三線を作るところで張り替えてもらったという話も聴きます。
以前は、東京でも、蛇皮の張り替えをやっているところも有ったのですが、今お店自体が無くなっていますね。
こう考えると、直すというのは何の問題も無さそうですが、一つだけ問題があります。
木の乾燥度が甘い楽器が増えて来ていることです。
以前から書いてきていますように、二胡を作る紫檀黒檀というのは人工乾燥をしません。
中国ではそのほとんどが、天然の乾燥なのです。
紫檀黒檀というのは、油分のとても多い木ですから乾くのに大変時間のかかるものなのです。
同じ厚みでしたら、杉やヒノキの10倍くらいかかります。
二胡の胴を作る12ミリくらいの厚みの木でしたら、杉やヒノキなら日陰で干しておけば、2年もあれば、乾燥度は17%くらいには落ちますが、紫檀黒檀はそのくらいに落ちるまでには20年ぐらいはかかるでしょう。
普通の家具につくる木なら現在日本では100%が人工乾燥されています。
音の問題もありますし、人工乾燥で割れが入りやすい紫檀黒檀は、人工乾燥しません。
そうすると、20年以上天然で乾かした木が必要なのです。
最近の東南アジアの紫檀黒檀の乱伐で、血檀とか大葉紫檀だとかいうアフリカ系の材料はこの15,6年で二胡の材料として使われるようになったものが多いのです。
勿論その以前にも使われてはいますが、大変少ないと思われます。
という事は、木の乾燥が十分ではない物が多いと思って間違いないのです。
去年一年で光舜堂が胴の割れを直した二胡は5台あります。
そのすべてがアフリカ系の大葉紫檀や、コウボクと言われるものでした。
これらの乾燥が十分ではない物が、乾いて歪んで胴割れを起こした時には、木が歪んでいるのが良く解ります。
ですから胴の6枚の木が60度の角度で削られているのが、すでに60度ではなくなっていますから、
きっちりとは着かないのです。
必ず隙間が出ます。
その時にボンドだけで付けようとするとどうしても柔らかい肉持ちの良いボンドを使う事になってしまいます。
これでは、胴を構成する6枚の板が共振しません。
音は元に戻らないのです。
これを直すにはゆっくりと熱を掛けながら、木の歪みを修正して元の状態に戻してから硬いボンドで付けるか、あるいは、全分解して、再度削り合わせて、きっちりと6枚が合うようにするほかはないのです。
もう一つ問題は、これらの乾燥が十分ではない木は、まだ動くだろうという事なのです。
例えば十年経ったものだとして、今狂って胴が割れたとしても、後10年分の乾燥は欲しいのです。
ましてや、中国のエアコンのない環境で作られたものだとすると、日本のエアコンのある環境の冬場の乾燥度に耐えられないのです。
これから、これらの、新しい材の二胡というのは増えて来ます。
既に古い物を使いきったと言っても過言ではないのです。
だからこそ、中国人の楽器屋さんが日本にまで木を集めに来ています。
後は音に問題が出ないような人工の乾燥を開発していくきりないのでしょう。
中国には、人工乾燥とい技術はまだないようなのです。
在る家具メーカーが中国に家具を発注して、日本に持って来て半年もしないうちに使えないほど狂ってきてしまったという問題も出ています。
かと言って、タイやベトナムでは、日本の家具メーカーと協力して人工乾燥された木でできた家具も作っています。
これらの技術は見習って欲しいのですが、紫檀黒檀の人工乾燥というのはとんでもなく難しい物でもあるのは、私自身この数年じぶんでこれらの木を人工的に乾燥させる実験をして来て十分に分かっています。
木の場合、日本の国内で使う物は、日本の国内での生産、その日本の環境に合わせて作るというのは他の楽器でも既に言われてきています。
この事はお金の問題ではないのです。
いくら、安くなるからと言って、中国での生産をしたとしても、十分に乾燥されていない木を使うとしたら、これらの弊害はますます増えて来ると思います。
先ず直すための材料の入手、その技術の習得というのが必要な事です。
二胡を日本で直すというのはそれほど問題は有りません。
紫檀黒檀というのは既に日本でも古くから使われてきた材料ですし、その技術も有ります。
三味線や三線などという、皮を張った楽器の製作もしています。
普通に形にはできます。
もう一つの問題は、楽器としてちゃんと直せるかという事でしょう。
音の問題ですね。
これも、既に胡弓や、沖縄のクーチョー(胡弓)なども有りますからこれも問題はないと思います。
古代から楽器の類は中国からの輸入ですし、それを直してきた経験というのも有るのです。
さて、二胡ですね。
この二胡に、何か楽器としてのトラブルがあった時に、現時点でちゃんと直すのは、殆ど中国に持って行って直しているようです。
とくに皮の問題です。
まれに、沖縄の三線を作るところで張り替えてもらったという話も聴きます。
以前は、東京でも、蛇皮の張り替えをやっているところも有ったのですが、今お店自体が無くなっていますね。
こう考えると、直すというのは何の問題も無さそうですが、一つだけ問題があります。
木の乾燥度が甘い楽器が増えて来ていることです。
以前から書いてきていますように、二胡を作る紫檀黒檀というのは人工乾燥をしません。
中国ではそのほとんどが、天然の乾燥なのです。
紫檀黒檀というのは、油分のとても多い木ですから乾くのに大変時間のかかるものなのです。
同じ厚みでしたら、杉やヒノキの10倍くらいかかります。
二胡の胴を作る12ミリくらいの厚みの木でしたら、杉やヒノキなら日陰で干しておけば、2年もあれば、乾燥度は17%くらいには落ちますが、紫檀黒檀はそのくらいに落ちるまでには20年ぐらいはかかるでしょう。
普通の家具につくる木なら現在日本では100%が人工乾燥されています。
音の問題もありますし、人工乾燥で割れが入りやすい紫檀黒檀は、人工乾燥しません。
そうすると、20年以上天然で乾かした木が必要なのです。
最近の東南アジアの紫檀黒檀の乱伐で、血檀とか大葉紫檀だとかいうアフリカ系の材料はこの15,6年で二胡の材料として使われるようになったものが多いのです。
勿論その以前にも使われてはいますが、大変少ないと思われます。
という事は、木の乾燥が十分ではない物が多いと思って間違いないのです。
去年一年で光舜堂が胴の割れを直した二胡は5台あります。
そのすべてがアフリカ系の大葉紫檀や、コウボクと言われるものでした。
これらの乾燥が十分ではない物が、乾いて歪んで胴割れを起こした時には、木が歪んでいるのが良く解ります。
ですから胴の6枚の木が60度の角度で削られているのが、すでに60度ではなくなっていますから、
きっちりとは着かないのです。
必ず隙間が出ます。
その時にボンドだけで付けようとするとどうしても柔らかい肉持ちの良いボンドを使う事になってしまいます。
これでは、胴を構成する6枚の板が共振しません。
音は元に戻らないのです。
これを直すにはゆっくりと熱を掛けながら、木の歪みを修正して元の状態に戻してから硬いボンドで付けるか、あるいは、全分解して、再度削り合わせて、きっちりと6枚が合うようにするほかはないのです。
もう一つ問題は、これらの乾燥が十分ではない木は、まだ動くだろうという事なのです。
例えば十年経ったものだとして、今狂って胴が割れたとしても、後10年分の乾燥は欲しいのです。
ましてや、中国のエアコンのない環境で作られたものだとすると、日本のエアコンのある環境の冬場の乾燥度に耐えられないのです。
これから、これらの、新しい材の二胡というのは増えて来ます。
既に古い物を使いきったと言っても過言ではないのです。
だからこそ、中国人の楽器屋さんが日本にまで木を集めに来ています。
後は音に問題が出ないような人工の乾燥を開発していくきりないのでしょう。
中国には、人工乾燥とい技術はまだないようなのです。
在る家具メーカーが中国に家具を発注して、日本に持って来て半年もしないうちに使えないほど狂ってきてしまったという問題も出ています。
かと言って、タイやベトナムでは、日本の家具メーカーと協力して人工乾燥された木でできた家具も作っています。
これらの技術は見習って欲しいのですが、紫檀黒檀の人工乾燥というのはとんでもなく難しい物でもあるのは、私自身この数年じぶんでこれらの木を人工的に乾燥させる実験をして来て十分に分かっています。
木の場合、日本の国内で使う物は、日本の国内での生産、その日本の環境に合わせて作るというのは他の楽器でも既に言われてきています。
この事はお金の問題ではないのです。
いくら、安くなるからと言って、中国での生産をしたとしても、十分に乾燥されていない木を使うとしたら、これらの弊害はますます増えて来ると思います。