二胡工房 光舜堂

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二胡は日本に定着したのだろうか?その5。

2013-01-16 10:08:41 | ■工房便り 総合 
二胡は楽器です。

楽器が日本に定着するために一番必要な事は、その楽器自体が輸入品という事だけでなく、日本国内での生産というのが大切なのではないかと思うのです。

これは中国屋楽器店のオーナーのショウホウさんが言った言葉でもあり、劉継紅先生のおっしゃったことばでもあります。

楽器はその構造を理解し、メンテナンスをきちっとできるようになって初めて、その土地に根付きますね。

楽器にトラブルがあって、それを直すのに、海外まで送り何カ月もかかるとしたら、どうでしょう?

直してもらって、気に入らない状態だったとしたらどうでしょう?

嫌になりませんか?

二胡素敵な音だなと言って習い始めて、ガーガー言う音で、とてもじゃないけど二胡のイメージから遠い音だとしたら、嫌になりませんか?

自分の楽器、買ったはいいけどこんな音?と思う方も多いと思うのです。

楽器の最初は相当弾きこまないと良い音になりませんということがしっかり定着していないと、何だこんなものかと言ってやめてしまう方も多いと思うのです。

これらは、楽器自体に問題がある場合も大変多いのですが、一番はちゃんと調整されていないからということです。

駒を取り変えて、フェルトを取り変えてというのが調整ではないのです。

千斤は縛ってあれば良いという物でもありません。

楽器一台一台に合わせてというのが調整です。

これは、どの先生もどこの楽器屋さんでもやっていないのです。

楽器を中国から輸入している人に聴いたことがあるのですが、調整?なにそれ、という感じで中国ではそんなものはないそうです。

決まった形があるからそれで良いでしょ、とのことでした。

調整にそれほどこだわるのは日本人だけなのかもしれません。

二胡は、日本に入ってきた時に、既に中国の民族楽器からは離れてしまったのかもしれないのです。

中国では、皮がダメになったら買い換える。

棹が曲がったら買い換える。

金属軸が駄目になっても買い換える、のだそうです。

初心者用なら、500元代、普通の二胡で、1000元代。(×13が日本円です。13000円)

かなり良いもので、3000元もだせばよいのですから。

10000元代などは相当な高級品でしょう。

輸入関税或いは中国での関税など店舗の維持費など色々入れれば日本ではそうはいきません。

ダメになったから買い変えられる人はそうはいないと思うのです。

日本では二胡はちゃんとした楽器です。

他の楽器などと比べても楽器としての金額にもなっていますし、それなりの扱いをされていますね。

この楽器の扱いに関しても日本に入って来て二胡は民族楽器から変化したのだと思うのです。

中国でもプロが使うような楽器は相当手が懸っています。見た目だけではないのです。

皮の張りから、木の材の取り方そして扱い方。

相当手が懸っていますから、日本円でも30万や40万、材料によっては7,80万してしまうとも言われます。

日本に入ってきて、二胡はちゃんとした楽器の金額になってきているのですが、はたして実質はどうなのでしょう。

それは皆さんが良くご存じだとも思いますし、光舜堂で見てきた1000台に近い楽器のなかで、バイオリンなどのようにそれなりのレベルの楽器というのが、少なかったのも事実です。

バイオリンやギターなど日本でフツーに販売されている、楽器の品質と金額のバランスというのから考えると、二胡はどうもそのあたりがバラバラです。

これは、二胡愛好家が本当に良い楽器というのをまだまだ弾いたことが無く、楽器のレベルというのをご自身で確定できないということも大きな要素になると思うのです。










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