これは、自然の中で松脂が変化していく過程を人工的に再現したものです。
いわゆる天然熟成の松脂はこれらが混ざり合って土の中に埋まっているのです。
たぶん変化はもっと多いでしょうね。
雨の多い地方や、あるいは、周りの樹種や、生息している動物達によっても樹木の質は変わります。
その質の違いと、環境の違いによって天然に熟成される松脂は均一には成長していきません。
採取した時にも様々な不純物を含んでいて、たとえかなり綺麗にしたつもりでもその不純物、そして熟成の進行の違いのあるものが混ざっています。
ですから、たとえざっくり一塊の松脂で数十個擦弦楽器用の松脂を作ったとしても、それらはすべて同じなわけではないのです。
これ、かなり違うのです。
ですからそれこそ、素晴らしい擦弦楽器用の松脂が一つとれたとしても、同じものが無いのが天然熟成の松脂の難点です。
しかし、良いのは本当に良いです!
その不純物の混ざり具合を目指して、光舜堂で今作っているのが00なのですが、、、、
その天然松脂の方が良いという、ある方でさえ、光舜松脂のK100とP100に関しては、パーフェクトと言います。
K100はとても硬質な反応音の速さと敏感さそして強く繊細な振動を引き起こします。
かなり使うのが難しく、繊細、それこそ過ぎるため、弓の毛の撚れ具そして弓の扱い一つで音の質が変わる、雑音になりかねない怖さがあります。
しかし楽器を歌わせるには最高だと言われます。
P100は反対に幽玄!と言われます。
音の立ち上がりの速さや肌理の細かさは他の光舜松脂と変わりはないのですが、音の深さと巾、たぶん聞こえてくる音以上に体に感じる振動、非常に滑らかな音の移動を実現するからでしょう。こればかりは弾いてみないと分かりにくいのではないかと思います。また幽玄だからこそ、繊細でこれもまた扱いにくくはあります。
現在の次第にエスカレートしてきた、より早く、より強く、より際立ったという感覚にはない、「岩にしみいる」という感覚が得られると思います。
たぶん、この二つには実質的に光舜松脂の0を上塗りする方が良いと思います。もし手に入るなら、数十年物の天然熟成の方が良いともいわれました。
が、その頃には光舜松脂の00も完成していると思います。
たぶん、4月の終わりくらいには完成品が発売できるでしょう。
松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ