二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

駒は育てる、楽器も育つ、腕も育つ。

2016-03-23 10:25:43 | ■工房便り 総合 
楽器は育てるのは言うまでもありません。

駒も同じことが言えるのです。

二胡の場合気軽に駒を取り換えられますから、

皆さん何気に、駒を取り換えますが、

これは単なる癖でしかありません。

木で出来ている楽器は気候の変化にとても敏感に反応します。

特に、演奏に力を入れて、ライヴ活動などしている人は特に、

特に、音にご自身の楽器の音に敏感です。

ある意味とても素晴らしい事ですが、

その敏感さのお蔭で、季節によって楽器を取り換えたり、駒を取り換えたりもします。

すると、楽器も育ちません、そして腕も育たないのです。

特に松材で出来ている「にこのこま」は育てることが必要です。

松鷹駒を付けた時は、楽器によっては、今までの駒、特に、黒彪駒や虎駒あるいは彪駒など付けていた後だと

少し物足りないような気がする場合もあります。

黒彪駒などの上記の駒はその音の出の強さというのは抜群です。

そしてその駒自身が、独特の音色を持っています、ですからぴったり合っている場合は、とても良く楽器を鳴らします。

その駒自身の癖の無いのが「にこのこま」の良い所です。

最初のうち白っぽかった駒の色が、次第に飴色になり始めたくらいから、松鷹駒は威力を発揮し始めます。

たぶん一ヶ月位、それもただ置いておいてという事ではなく弾き込んで、一ケ月くらいすると、

楽器自身がその音色を出してくるという感じに、鳴ります。

無理やり駒で音色を作るのではなく、その楽器の響き音色を引き出してくるのです。

とても自然なのですね、松材こそ二胡の駒、と昔から言われていたのは間違いのないところなのです。

昨日或る、演奏家に合いまして、、

その楽器に再度松鷹駒が付いているのを見ました。

2ケ月くらい前に、松鷹駒を付けた楽器なのですが、「なんだか、前の駒の方が良いという感じで」と、一月前にあった時には他の駒を付けていましたが、、

今回は、松鷹を付けていたのです。

「育ってくるとこの松鷹は自然で良いですね、楽器の良い所を引き出すみたいです。」との事です。

そうそう、松材の駒、気を付けてほしいのは、

駒の取り外しの時に、無理やり外すと欠けやすいです。

ですから、あまりとったり外したりすると駒の上部が欠けます。

気を付けて下さい。

しつこく言います。

駒も楽器も育てましょう。

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