二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

福音弓は、道具です。

2014-09-12 13:07:39 | ■工房便り 総合 
左はヴァイオリンの弓毛です「西風」に使います、右は脱色していない二胡用毛「東風」の毛です。



この弓だけは本当に皆さんに使ってほしいのです。

西野二胡はまあ、好みです、ですから出会いをゆっくり待ちます。


弓はむしろ道具に近いです。

作品が二胡と言う楽器によって人様に音楽として伝わるとしたら、

その二胡と言う楽器を、皆さんが思うように弾く為の道具です。

道具は使いやすいに越したことはありませんが、

現状では購入して、弾いてみないとどんな物かもわかりません。

私なども鑿や彫刻刀などは、48年も付き合っている、道具屋さんにお願いします。

鑿も彫刻刀、試してみて買うというのは出来ませんから、信頼している鍛冶屋の物を使うのです。

それだけ信頼できる弓と言うのがあるのでしょうか?

同じメーカーの物にしてもその弓としての、性能は、バラバラです。

竹の部分にしても亀裂を塗装でごまかしてあったり(これは販売店ではわかりません、時間がたってからわかる物です)もします。

どうせ1年ぐらいきり使わない使い捨てのものということなのでしょうか。

それにしては良い金額がしませんか?

ヴァイオリンなどは、早い人は、2ケ月に一回弓毛の張替えをします。

長く持たせても、1年前後でしょう。

二胡の弓は今は使い捨てです、よい弓の竹に出会ってもです。

それをなるべく安定した、10年ぐらいは使える物にしようと言うのが今回の発想です。


中国製の弓が、今や1万5,6千円は普通にするのです。

考えてみてください。

中国と日本の経済的な価格の相場の違い、人件費は10倍違います。

それをほぼ同じ位の金額に設定したのです。

この弓の金額≪18000円≫はいつまで続けられるか分かりません。

今のところ、他の二胡屋さんからも、販売代理をさせてほしいと依頼が来ています。

が、問題が有るのです。

普通は卸し値段と言うのを設定して、まとめて購入してもらう事によって、少しは経済的に良くなるようにするのですが、

それをすると光舜堂は完全に赤字になってしまいます。

勿論小売りの方の手間と言うのはあります。

そこで、他店での販売価格は、20000円になります。

元々からして本当に光舜動が商売の一環として、この弓を発売するとしたら、ほぉさんと私の人件費などの事を考えると、

25000円くらいにしないとやっていけないのです。いずれはこのくらいの金額になります。

中国から仕入れる弓にしてもこれからどんどん値上がりするはずです。

この18000円と言うのは、意地でとにかく皆さんに、良い弓と言うのを使ってほしいのと、
良い弓と言う物があるし、安定して、どれを選ぼうとも、気持ちよく皆さんが弾ける弓があるというのも知って欲しいために付けた金額です。

勿論自然界の物を使っていますから、竹の太さや強さにはばらつきもあります。

かと言って今、皆さんがネットなどで購入するものあるいは先生から購入する弓の様な、これは使えないなどというものはありません。

一本一本私が確かめてから出荷しますから。

普通、弓というのは、松脂もつけずに試し弾きも出来ずに、購入してみるというリスクがあります。

これは相当高額な100万を超えるようなヴァイオリンの弓などは、その弓そのものを試させてもらうこともあるとは聴きます。

でもヴァイオリンの弓でさえ、試し引きというのはほぼありませんね。

理由は、持ちろん毛が傷むからです。

ただ二胡の場合はそれほど、ヴァイオリンのようには痛まないのと、

何しろベースが、中国の竹です。

それほどきちっと生産管理されているわけではありません。

仕入れた時に曲げてみて、20%は折れます。毛を張り始めて曲がりっぱなしになってしまう物も有ります。

フロッグ(弓魚)に隠れて見えない、割れなどもあります。

それらを廃棄したり直したりしていくと、結局は半分くらいきり使えないのです。

毛にしても東風は、受け取て全部ほぐして、綺麗に洗いなおして、ダメな毛を抜いて、とやっているうちに70%くらいきり使えません。

そこで私自身必ず一回は弾いてみて不具合を見つけ出したいので、今回のように、松脂がついた状態でのお渡しになります。

気の小さい私は、そうしないとお客様に渡せないのです。(すみません)

何とか今在庫がある馬毛と竹の間は、この金額を維持しようとは頑張ってみます。

持ちおrん私自身の製作技術のアップを図ることも大切でそれさえ、中国の弓職人さん並になれば、もしかするおtそれほど金額をあげなくて済むかもしれません。

でもあの人たちは、どんな竹でもどんな毛ども構わず作ってしまうのですから、それには絶対追いつかないと思いますが、、、、

こんな内々のそれも経済的な事を書くべきではないのかもしれません。

10倍違う金利や人件費の差と言うのはいかんともしがたいのです。

でも、この弓は、全国の二胡弾きさんに持ってもらいたいと考えています。

これからあちこちのお店や先生方に少しずつお預けしますので是非お試しくださいな。


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