一月の終わりに関西からお客様が見えられました。
神田に光舜堂があったころから毎年お正月には定期的に二胡の調整に来られる方です。
工房まで来られたのは今回が初!
コロナ以来のお久しぶりのご挨拶をさせていただいて、本当にうれしかったです。
そのお客さんが今回持ってこられらのは、かなり有名な工房の老紅木。
最近はやって来たオバンコールではなく、アフリカンパドウクのものでした。
その有名な工房の作る二胡は何故なのか少しだけ胴の直径が大きいのです。
ですからものによっては低音二胡にした方が良いくらいなのです。
木の種類によってはとても大きくは鳴るのですが、どうも音が薄い感じがあります。そしてものによってはウルフ音がとても多く出やすいものが多い、と私は感じていたのです。
ところが今回お客さんが購入された楽器はズシリと重く、胴の直径は確かに大きいのですが、その重さのある分とても良い響きと鳴りを持っています。
多分かなり目の詰まった木なのですね。
これは良い二胡でした。いわゆる名器と言ってよいものに感じました。
今、私は能登のアテ(桧葉の木)で二胡を作っています。
一台は作ってみたのですがどうにも鳴りが薄い感じがあります。
能登の桧葉は木の中では比較的軽い方なのです。
比重にして0.65くらい、欅が0,75 紫檀が0,9から1くらい
木の中で一番比重が大きいのがリグナムバイダの1,2くらいです。
1が水の重さですから、1,2というともうこれはしっかり水の中で沈んでしまいます。
通常アフリカンパドウクも0,8から1近くありものによっては水に沈みます。
そのくらいの物ですとかなり大きく作ってもしっかりとした響きを実現します。
今回の能登のアテこれは軽いですね。そこで胴を作るのに一工夫しまして普通の二胡より一回り小さくして、胴の木の厚みも通常私は14ミリなのですが今回のは16ミリにしました。
小さいと言ってもこのくらいですが
さてどんな音色でどんな響きになるのか、今週末には弾いてみます。
そしてその響きが良ければ、金沢のNMLの孟さんに音出しをしてもらおうと考えています。
ユーチューブにアップしてくれるそうです。
どうなりますか、新しい木で楽器を作るのは本当にドキドキしますし、楽しみです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ