この2年間で、殆ど1000代に近い二胡を見せていただきました。
極端な言い方をすると、日本に入って来て、5,6年すると、殆どの二胡が皮が歪んで緩くなります。
そうならないのは、本物の、明清の頃の家具や家などを解体した、木を使った物だけでしょう。
要するに殆ど木が狂わないほどに、乾燥した物という事です。
明清材などとうたわれていなくとも、そのようによく乾燥した物というのもあります。
しかし、中国で二胡は年間数十万台生産されてきていますから、古い良い木というのも枯渇して来ているのだと思います。
げんに中国の楽器メーカーが、日本にまで木を買いに来ています。
ですから最近の紫檀や、インドネシアやオーストラリアの紫檀や血檀などと言われるものや大葉紫檀などと言われるものは材としてはかなり新しい物と考えざるを得ません。
今まで度々、繰り返して来ましたように、木は生きています。
建立してから1000年を経た、法隆寺のヒノキの柱が、まだ動きます。
400年以上も経た、古いお城の木組みがまだ動いて音を立てると言います。
25年前に私の作ったテーブルが、まだ動きます。
これらは大きなものですからその動きというのは目に見えるほどです。
場合よってはミリ単位では動くのです。
しかし、小さな直径90ミリの二胡の胴ではその動きというのは、コンマ1ミリぐらいかもしれませんが、それが大きな影響を楽器としての二胡に及ぼします。
要するに木が縮めば、皮が緩むという事です。
二胡の皮の最後の一絞め、最後に春問いには、一回転1ミリのボルトで4分の一、0,25ミリぐらいです。
これで、それまでD♯だったものがF近くまで、音が上がるようになります。
ですから、胴の木の方が、0,1ミリ縮んだとして、0,6ミリぐらいは全体として縮みます。(かなり大雑把な計算です)
そうすると、音は何度か下がってしまうのです。
それはまだ良いのです、平均して緩めば、問題があるほどではないでしょうが、
木は一枚一枚同じように狂う、(縮む)訳ではありません。
そこが問題なのです。
これは、作りの問題でも無く、二胡の宿命と考えて下さい。
胴を構成している6名の木がバラバラに縮んだとしたら、クラックも入るでしょうし、接ぎ目に隙間もできることでしょう。
それも問題では無いのです、狂ったとしてもそれなりには安定しますから。
問題は皮が均一ではなくなることなのです。
その時には高音は出なくなり、もしかしたら、雑音も沢山出てきたりもします。
晴れやかななりというのは得られなくなります。
その上オイルなど塗ったとしたらもう最悪状態になりますね。
これは蛇皮を張り替えた方が良いと思います。
光舜堂では、蛇皮の張り替えの際、いろいろ問題のあった部分の削りや見えない所にも発生しているであろうクラックなども一緒に直します。
要するに楽器として健全に鳴るように直すのです。
三味線などは5,6年で、三線等もやはり5,6年で、胡弓も3,4年と言われます。
それにしては二胡は、10年以上も持ちますが、蛇皮は、何時かは張り直さなければならないものです。
気持ちよく鳴る楽器は、それこそ練習の励みになり、皆さんの演奏の腕前をさらに上げる要因になります。
そして本来の二胡の音を奏でてくれます。
極端な言い方をすると、日本に入って来て、5,6年すると、殆どの二胡が皮が歪んで緩くなります。
そうならないのは、本物の、明清の頃の家具や家などを解体した、木を使った物だけでしょう。
要するに殆ど木が狂わないほどに、乾燥した物という事です。
明清材などとうたわれていなくとも、そのようによく乾燥した物というのもあります。
しかし、中国で二胡は年間数十万台生産されてきていますから、古い良い木というのも枯渇して来ているのだと思います。
げんに中国の楽器メーカーが、日本にまで木を買いに来ています。
ですから最近の紫檀や、インドネシアやオーストラリアの紫檀や血檀などと言われるものや大葉紫檀などと言われるものは材としてはかなり新しい物と考えざるを得ません。
今まで度々、繰り返して来ましたように、木は生きています。
建立してから1000年を経た、法隆寺のヒノキの柱が、まだ動きます。
400年以上も経た、古いお城の木組みがまだ動いて音を立てると言います。
25年前に私の作ったテーブルが、まだ動きます。
これらは大きなものですからその動きというのは目に見えるほどです。
場合よってはミリ単位では動くのです。
しかし、小さな直径90ミリの二胡の胴ではその動きというのは、コンマ1ミリぐらいかもしれませんが、それが大きな影響を楽器としての二胡に及ぼします。
要するに木が縮めば、皮が緩むという事です。
二胡の皮の最後の一絞め、最後に春問いには、一回転1ミリのボルトで4分の一、0,25ミリぐらいです。
これで、それまでD♯だったものがF近くまで、音が上がるようになります。
ですから、胴の木の方が、0,1ミリ縮んだとして、0,6ミリぐらいは全体として縮みます。(かなり大雑把な計算です)
そうすると、音は何度か下がってしまうのです。
それはまだ良いのです、平均して緩めば、問題があるほどではないでしょうが、
木は一枚一枚同じように狂う、(縮む)訳ではありません。
そこが問題なのです。
これは、作りの問題でも無く、二胡の宿命と考えて下さい。
胴を構成している6名の木がバラバラに縮んだとしたら、クラックも入るでしょうし、接ぎ目に隙間もできることでしょう。
それも問題では無いのです、狂ったとしてもそれなりには安定しますから。
問題は皮が均一ではなくなることなのです。
その時には高音は出なくなり、もしかしたら、雑音も沢山出てきたりもします。
晴れやかななりというのは得られなくなります。
その上オイルなど塗ったとしたらもう最悪状態になりますね。
これは蛇皮を張り替えた方が良いと思います。
光舜堂では、蛇皮の張り替えの際、いろいろ問題のあった部分の削りや見えない所にも発生しているであろうクラックなども一緒に直します。
要するに楽器として健全に鳴るように直すのです。
三味線などは5,6年で、三線等もやはり5,6年で、胡弓も3,4年と言われます。
それにしては二胡は、10年以上も持ちますが、蛇皮は、何時かは張り直さなければならないものです。
気持ちよく鳴る楽器は、それこそ練習の励みになり、皆さんの演奏の腕前をさらに上げる要因になります。
そして本来の二胡の音を奏でてくれます。