普通胴が割れると言っても殆どの場合は、胴を構成している6枚の板の接ぎの亀裂が多いのです。
経年変化、あるいは、落下や転倒などによる衝撃で板をはいであるボンド、或はニカワの接着力が無くなって割れます。
そのような場合は、元々の接着面についていたニカワなどを薄い刃物で削り落として、再度ニカワを付けて締め上げれば、治ります。
しかしこの二胡の場合、画像を見ていただくと判りますが、接着面だけでなく、木自体が破損亀裂を起こしています。
胴の後ろの方はまっすぐに接着面通りに割れていますが、皮の方に行くにしたがって曲がっています。
これは木の弱い部分が衝撃で割れてしまっています。
それは皮の下の方まで入り込んでいて、これは皮を剥がす以外に直す方法はありません。
ニカワがはがれて胴が亀裂を起こした時には、皮の部分まで亀裂が入り込むのはあまりないのです。
それは、皮がしっかりと締め上げられていて、皮のそばまでは割れないものです。
ところが木自体が裂けてしまった場合は、今まで溜まっていた木の力が、爆発的に解放されるため、皮の締め上げ以上の力になるからです。
木は育つ過程で、その自重を支えたり、あるいは外部の風等の力に対して自分を守ろうとして、木の中心に向かって、丸く成ろうとして育ちます。
ですからその中心に向かう力が、切られた途端に、解放されて、反りかえってしまうのです。
良く乾燥してその反りかえる力も弱くなってきた材料を二胡は使うのですが、
10年20年経っても、その力自体は内部に含まれています。
枝にちかい部分などは、その枝を支えるための力が残っていたりもします、
それは木目の曲りとして目に見えます。
普通の二胡はそのほとんどが、正目と言ってまっすぐな木目として見れるように製材した木を使いますが、
この二胡は、この割れたところの一枚以外は、全て板目、要するに皆さんが木の木目と言う感じで考える形に見えている物です。
板目に取る楽器落ちうのはとても少ないです、それは気の反りかえりを恐れるからですが、
今まで診たものや自分自身で私の作った物などでの経験で言うと、板目の木で作った楽器は音が重厚に出ます。
音の事だけを考えると板目の方が良いのかもしれません。
ただし狂いやすいので普通は使われていません。
また全て板目であればこのような木の割れにはならなかったとも思えますが、6枚の内一枚だけが柾目に取ってあったため、木全体の動きとしては、板目と柾目の接触する部分の動きの違いが、亀裂を起こす原因であったのだと考えられます。
みなさんが楽器を購入する時に気を付けなければいけない事の一つに、この板目と柾目が混ざっている物は避けた方が良いという事です。
でもそんなこと判るかという方も多いと思いますが、もし楽器を購入される時には木の木目の輪kる人と一緒に行くというのも一つの条件かもしれません。
ところで、私もこの楽器に関しては分かりませんでした。
全体をばらして初めてわかった事です。
それは、この一枚だけ違う柾目が、胴の台のところに合って台で見えなかったのです。
この楽器は皮を張替えなければいけなくなりました、
幸いにとても良い木(日本で言う本紫檀)でしたから、その上少し大きなものですから、二泉二胡に作り変える事になりました。
その上不思議な事ですが、一度割れた楽器はとても良い響きになります。
かえって、以前より良く鳴る事が多いのです。
歪んだ木の力が逃げていったためでしょう。
Mさん、楽しみにしていてください。
経年変化、あるいは、落下や転倒などによる衝撃で板をはいであるボンド、或はニカワの接着力が無くなって割れます。
そのような場合は、元々の接着面についていたニカワなどを薄い刃物で削り落として、再度ニカワを付けて締め上げれば、治ります。
しかしこの二胡の場合、画像を見ていただくと判りますが、接着面だけでなく、木自体が破損亀裂を起こしています。
胴の後ろの方はまっすぐに接着面通りに割れていますが、皮の方に行くにしたがって曲がっています。
これは木の弱い部分が衝撃で割れてしまっています。
それは皮の下の方まで入り込んでいて、これは皮を剥がす以外に直す方法はありません。
ニカワがはがれて胴が亀裂を起こした時には、皮の部分まで亀裂が入り込むのはあまりないのです。
それは、皮がしっかりと締め上げられていて、皮のそばまでは割れないものです。
ところが木自体が裂けてしまった場合は、今まで溜まっていた木の力が、爆発的に解放されるため、皮の締め上げ以上の力になるからです。
木は育つ過程で、その自重を支えたり、あるいは外部の風等の力に対して自分を守ろうとして、木の中心に向かって、丸く成ろうとして育ちます。
ですからその中心に向かう力が、切られた途端に、解放されて、反りかえってしまうのです。
良く乾燥してその反りかえる力も弱くなってきた材料を二胡は使うのですが、
10年20年経っても、その力自体は内部に含まれています。
枝にちかい部分などは、その枝を支えるための力が残っていたりもします、
それは木目の曲りとして目に見えます。
普通の二胡はそのほとんどが、正目と言ってまっすぐな木目として見れるように製材した木を使いますが、
この二胡は、この割れたところの一枚以外は、全て板目、要するに皆さんが木の木目と言う感じで考える形に見えている物です。
板目に取る楽器落ちうのはとても少ないです、それは気の反りかえりを恐れるからですが、
今まで診たものや自分自身で私の作った物などでの経験で言うと、板目の木で作った楽器は音が重厚に出ます。
音の事だけを考えると板目の方が良いのかもしれません。
ただし狂いやすいので普通は使われていません。
また全て板目であればこのような木の割れにはならなかったとも思えますが、6枚の内一枚だけが柾目に取ってあったため、木全体の動きとしては、板目と柾目の接触する部分の動きの違いが、亀裂を起こす原因であったのだと考えられます。
みなさんが楽器を購入する時に気を付けなければいけない事の一つに、この板目と柾目が混ざっている物は避けた方が良いという事です。
でもそんなこと判るかという方も多いと思いますが、もし楽器を購入される時には木の木目の輪kる人と一緒に行くというのも一つの条件かもしれません。
ところで、私もこの楽器に関しては分かりませんでした。
全体をばらして初めてわかった事です。
それは、この一枚だけ違う柾目が、胴の台のところに合って台で見えなかったのです。
この楽器は皮を張替えなければいけなくなりました、
幸いにとても良い木(日本で言う本紫檀)でしたから、その上少し大きなものですから、二泉二胡に作り変える事になりました。
その上不思議な事ですが、一度割れた楽器はとても良い響きになります。
かえって、以前より良く鳴る事が多いのです。
歪んだ木の力が逃げていったためでしょう。
Mさん、楽しみにしていてください。