二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

お客様からの質問、その2

2010-08-17 12:34:20 | ■工房便り 総合 
どんな曲にも合う二胡と言うのは出来るのですか?

難しい質問です。

どんな、曲にも、似合うというのは、音色と言う意味でしょうか?

音色という点では、

胴と棹が、黒檀なら、黒檀の音でしかありません。

紫檀でしたら紫檀でしかありません。

ですから曲に、御自身がこの音色は合うな、と、お考えの、二胡を選んでいただくきりないと思います。

あるいは、その楽器に、似合うような、音のイメージを、作りだす、

つまり編曲というかんじですか。

三味線でも、曲に合うように、紅木(コーキ)や、黒檀、あるいは、紫檀の竿と、いろいろに使い分けるようです。

その点、バイオリンなどと違い、反対に、何台か持つようにして楽しめるとは思います。

バイオリンなんかでも、曲によって、楽器を持ち替えるというのは、あるみたいです。

チェロなんかでは、あまり聞かないのは、持ちかえるほど、小さくは無いからかも知れません。

只二胡の場合。

今私が、実験的に初め、最近ようやっと形が見えてきた、

カスタマイズ、方式と言うのは、可能です。

棹と、木軸を、黒檀や、インドローズ、あるいは、ホンジュラスローズに変える方法です。

この際、問題になるのは、胴は、かなり癖の無い物、

バリサンダー(老コウボク)や、花梨、あるいはウォールナット等に限られます。

インドローズの胴に、黒檀の棹付けると、場合によっては、雑音が出てしまいます。

バリサンダーなどは、その点、癖が無く、他の木が棹になったとしても、受け入れてくれます。

三味線の、胴が、全て花梨で出来ているということと、共通のことなのかもしれません。

三線等も、胴は以前は借花梨でしたが、最近は全て、ゴムの木であると聞きます。

このことを考えても、

音色と言うのは、その多くが、棹が出していると考えても良いのではないでしょうか?

それと二胡の場合、木軸の要素は非常に大きいです。

今回作った、二泉二胡。

胴と棹は、ホンジュラスローズを使いました。

そうでなくとも、一回り普通の二胡より大きく、皮が、二個ほど張りきれず、どうしても音が甘く鳴るのが、今までの二泉でしたから、

思い切り硬い、薄くできるホンジュラスにしたのです。


そこで、木軸を、2通り用意しました。

胡桃、と黒檀の木軸です。

胡桃の木軸だと、その胡桃の柔らかさのおかげで、全ての音が、そーっと、鳴り始めます。

黒檀だと、音の頭が、普通に弾いても、パンと、鳴ります。

一つの楽器で二つの、響きを楽しめる、と言うことでは、

先ほどの質問、

どんな曲にも合う楽器と言うことに、少しは近づけるのかもしれません。

西野和宏
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