二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

低音二胡、中胡の必需品、「西風」

2014-09-23 10:03:03 | ■工房便り 総合 
これは50年前に作られた二胡に付いていた弓です。

アービンは、こんな弓で、あの二泉営月の演奏を録音したのですね、きっと、

その上絹弦でしたから、いかに演奏が上手かったのか分かります。

アービンの頃にはまだ二胡の調弦と言うのが、今のように、DAと完全に決まっていたわけでもないようです。

アービンの弾いている録音の音を聴いている限り、それほど大きな二胡ではなく、今の二胡よりはるかに小さながっきだったようです。

合奏をするわけではありませんから自分の感覚で、調弦もしていたようですね。

アービンは比較的低い音が好きだったと言われていますが、さてどうだったのでしょうか、でもあの録音を聴く限りとても良く楽器が鳴る調に合わせてはいたようです。

低音楽器良いですね、でも

低音二胡、それもGD弦は弾きにくいです。

相当シッカリと、弓の毛が弦をとらえる事が必要になりますね。

弦をいかに振動させるかというのは、擦弦楽器の永遠の命題でしょう。

もちろん、右手の練習と言うのもあります。

でもその前に、弓の進化と言うのもあります。

ヴァイオリンの弓も、数百年もかかって、進化してきています。

二胡の弓も弓も多少は進化してきています。

毛の量も増えていますし、後ろの方の持ち手の所も、ネジで弦の張りを調節できるようにもなってきています。

これはもちろんヴァイオリンの弓をモデルにしています。

二胡の弓の場合、竹の弾力を利用する演奏の仕方ですね。

ヴァイオリンの弓よりもっと、その竹の部分の張力を利用することが多いような気がします。

それにしても竹だけでその自然の強さだけで、運弓していくというのは、ヴァイオリンにしてみると400年ぐらい前の弓と変わりません。

ヴァイオリンの弓は、400年かかって、弓の先端にまで自然に、右手の力が伝わるように、なおかつ早弓を弾いた時に回転がよくなるようにもしてきたのです。

それにはより良い質の毛を探すことや、木の部分のバランスのとり方、

そして木の張力と馬の毛のとのバランスまで考えられて出来てきたのが今のヴぁいおりんの弓です二胡の弓もまずは、持ち手の部分の使いやすさと言う事や毛の張力を変えられる事でネジで毛の張力を変えるようにはなってきています。

後は良い竹と(もしかしたら、木でも今の竹のように使える物があるのかもしれませんね、これは今後の課題です)

竹の強度と毛の弾力とのバランス。そして竹自体の重さのバランス、それらを加味した物が、ナントか今回の福音弓に生きてきていると思います。

それと竹の耐久力ですね

良い弓は今の皆さんの演奏力を何倍にも支えます。

そして多少の楽器の難点など吹っ飛ばしてしまうくらいの威力があります。

特に鳴りにくい、鳴らしつらい中胡には、そして低音楽器には、「西風」が最適でしょう。

まずは試してみてください。

この弓はいくら日本製だからと言ってもどなたも批判しないと思いますし、元の弓には戻れないと思います。
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