二胡工房 光舜堂

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音色はどこから?その5

2011-03-11 09:08:17 | ■工房便り 総合 
棹の話です。

胴が比較的柔らかい木で、棹が硬い木というのが弦楽器の基本のようです。

必ずしも同じ樹種である必要はないようです。

今までに二胡に使われていた木の中で比較的軟らかいものと言うと、まず花梨でしょう次に中国で本紫檀と言われているマダガスカルローズ、そしてアフリカ紫檀と言われるパーロッソ、チンチャンやブラジリアンローズ又コウキ紫檀(小葉紫檀)も同じような硬さでしょう。

反対に硬い木と言いますと、使われていた中では黒檀それもスリランカの真黒と言われるもの、そして縞黒短です。今までに使われてはいないけれどもっと硬いのはホンジュラスローズです。

ホンジュラスローズはすでにマリンバなどにも使われていますし、またギターの材料としてはすでに実績を持っています。

ホンジュラスローズ程ではないけれど、黒檀に匹敵する硬さがあるのはシャム柿です。

シャム柿で何台かの二胡を作ってみましたが、その音の太さと重厚感は黒檀の硬い重厚感と比べるとはるかにふくらみのある音が出ます。硬いけれど導管もそこそこ多く、油分も比較的あります。バランスの良い木ということができると思います。

そこでコウキの胴にシャム柿の棹を付けてみました。何とも言えずふくらみのある音です。ある演奏家がこれで私の楽器を作ってほしいと言うほど音色のふくよかさがあります。ただ多少私としては、ハカランダで作ったジョージガオモデルなどの様な華豪華さには欠ける気がします。

私の頭の中にある二胡の音をどうやったら、どのような組み合わせの木なら作り上げることができるのか、今試行錯誤の真っ最中かもしれません。

それを考えるとバイオリンを作り出したアマティーの凄さが良くわかります。

続く

西野和宏
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