二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

敢てお勧めします。皮の張り替え。

2011-03-31 11:55:03 | ■工房便り 総合 
去年の暮れから、今まで、皮の張り替えが12台を超えました。

つくづく思うのは、歪んで緩んでしまっている二胡がいかに多いかという事です。

先だっても、あるお客様の、購入してから、1年半の二胡の皮張り替えました。

先生から購入されたものだそうです。

なんだか音が、どんどん出にくくなって、

先生に「この皮緩くなってきているようなのです」と質問したところ、

私のも同じくらいに緩いですよ。とのお答えだそうです。

これ、納得してはいけないことなのではないでしょうか?

何故なら、先生の楽器は、もうすでに20年近くも使って、私たちとは違って、何倍か弾きこんである楽器です。

1年半のと同じくらいというのは、なんだか変な感じです。

蛇の皮は、弾きこめば弾きこむほど緩みます。

弾きこんで緩んだのは、均等に緩んでいきますから、雑音が出たりはしません。

皮が多少緩むと、音色に幅が出てきます。

いろいろな振動の仕方ができるようになるからでしょう。

しかし私たち、二胡愛好家が弾く時間数で先生のと同じくらいに緩んでいるとすると、

これは何か問題だと思った方が良いと思います。

いきなりそこまで緩む時には必ずと言ってよいほど、歪んでいると考えられます。

ですから、雑音になり、弾きにくくなったりもします。

確かに、その時期を過ぎて、、さらに弾きこめば、良くなるという音も考えられますが、

どうでしょう、???

そのように、おっしゃる先生もいらっしゃいます。

どうなのでしょう?

ある意味、二胡は不完全な楽器という事が言えます。

それが、二胡の良いところでもあります。

だからこそ、楽器1台1台、音色が違ったりもしますし、それぞれに特徴が際立ったりもします。

しかし、楽しめなくなるほど、雑音に悩まされたりするのと言うのは、

どうなのでしょう。?

中国で作った時の環境と、日本の環境は違います。

ですから、木が狂うのは当たり前なのです。

それに伴って、皮も狂います。

これは悪いことではないですし、当然起こるべくして起こります。

私の作ったものにもそれは起こりえます。

ですからメンテナンスなのです。

今、日本の環境であるいは先生方あるいは楽器店との関わりなど、

自由に、メンテナンスできないというのが、問題ではないでしょうか。

光舜堂はすべての二胡のメンテナンスするのが役目だと思っています。

一度いらして、二胡検診してみてください。

西野和宏
Comment    この記事についてブログを書く
« 3月27日(日)お客様の帰ら... | TOP | 欅の二胡作ってみました。(... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合