二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

欅の二胡作ってみました。(明日光舜堂にデビュー)

2011-04-02 09:30:23 | ■工房便り 総合 
これぞまさに、日本製の二胡。

日本の木。

鎌倉時代以後の、寺院建築などに欅は使われてきました。

和太鼓の材料ですし、家具や船の舵などにも使われてきています。

色々調べてみると、日本だけではなく、台湾にも、中国にもあるようです。

只、木工品の材料としては、日本だけで使われているようです。

その理由は、中国の欅は、かなり密度が高く非常に硬いのですが、余程乾燥の仕方を上手にやらないと、ひび割れだらけになってしまいます。

あまりにも罅が多く、建築材や、ましてや家具などにはならないのです。

ただし、伐採の時期を選び、乾燥を非常に丁寧に、水をかけながら、日陰で日々手入れをしてややると、なんとか材料としては使えるようです。

乾燥のさせ方が、中国と日本では違いがありますので、中国では材料としては使っていないのでしょう。

木工の基本は、木をいかに知るかという事です。

この木はどうやって乾かせば、有用な材になるかとか、

どの部分を使えば、どのような木工品ができるかという知識の集積が、木工技術なのです。

刃物で削ったり、彫ったりするのは、木工技術のほんの一部なのです。

たとえば、アッシュという木があります。

普通木は赤身と、シラタによって構成されます。

シラタというのは、樹皮のすぐ下にあって、動物でいえば、脂肪に当たるところです。

殆どの木は、赤身の部分を使います。

シラタというのは、とても柔らかく、粘りがなくぼそぼそなのです。

黒檀などのシラタは、手でむしれるほどです。

アッシュは、乾燥の仕方によって、シラタの方がむしろ強い材料になったりもします。

以前は、野球のバットは、殆どがタモという木でしたが、今はこのアッシュのシラタも使うそうです。

木は、その樹種によっては、伐採時期の選択を誤ると、全く使えなくなります。

殆どの木は、春から夏にかけては伐採しません。

木が成長しようとしている時期ですから、そのままの力を伐採されても残していますので、

大きくひび割れたり、ゆがみがひどかったりもします。

椚(くぬぎ)や、エンジュ、柘植など、の伐採時期は年に1週間だけと言われます。

本来ならば全ての木の伐採は、木が生長を休む次期にやるべきなのですが、

最近の、流通を重んじる経済の中では、優先事項ではなくなってきています。

乾燥も同じことが言えます。

水分を調整しながら、ゆっくり10年も20年も乾燥させてはいられなくなってきています。

そこで、人工乾燥というのが、作られてきたのです。

この項続く

西野和宏



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2 Comments

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今、 (Jimmy)
2011-04-02 21:38:24
『空の高さ』を拝読ちうです。
いやぁ、これまで西野さんから伺った話の内容が網羅されていて、興味深い内容です。今のテーマとリンクしていて面白さ3.2倍です。
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jimmyさん (nishino)
2011-04-02 22:34:22
ありがとうございます。、眠くならないと良いのですが
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