二胡工房 光舜堂

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二胡の修理、金属軸

2014-03-12 09:31:40 | ■工房便り 総合 


写真の上のタイプの金属軸は、古くなってくると、ギアが破損したり摩耗したりします。

すると弦が調弦できなくなったり、動かなくなったりします。

新しいメカにこの部分だけ取り換えるきりありませんが、この形は光舜堂は持っていません。

通常中国ではこの部品がダメになった場合棹ごと交換することになりま す。

楽器の安い中国では、修理より交換した方が安くなるようです。

理由は、写真を見ていただくとわかるのですが、この部品の左側のボルトは木の取っ手部分に差し込まれ細いピンでとめられて います。
お持ちの楽器を見ていただくと取っ手の木部に小さなピンが刺さっているのが見えます。

このピンを抜くのが難しいようなのです。

私の場合、この部分を少し大きめのドリルで穴を広げてピンを外します。

ですから,その穴の跡は埋めます。

光舜堂には写真の下のような、ボルト式のタイプはあります。

これは、太さが太いため、多少棹の方を削れば交換できます。

これに交換する費用は、一本8000円になります。

作業内容は、

元の木の取っ手から、現在の銅軸(金属軸)を抜く。

棹にボルト式のタイプの為の穴あけする

取っ手にボルトの受けを埋め込む穴をあける。

木の取っ手の補修。

新しいボルト式を装着する。

弦の交換と、調整は必要なことになります。

とこんな感じです。

また今のところ、光舜堂では、送ってもらっての修理というのを致しておりません。
と言いますのは、運送中に二胡の頭が取れる事が多いからです。
相当気を付けても何十台かに一台は破損したりもします。

尚、写真の下のタイプも、長年使っているとボルトの受けの真鍮部分が摩耗してきて、空弦を弾いた時に、金属的な雑音が出てきます。

ボルトは鉄でできていて、受けの金物は真鍮です、真鍮は銅の合金ですから、鉄より柔らかいのです。

これは、受けの金具を交換すれば、治ります。
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2 Comments

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ご職業 (小梅)
2014-03-12 11:04:29
昨日、以前録画した番組を見ていて、一人で何もかも創る孤高の職人 『独立時計師』 の存在を知りました。
西野さんのことが頭に浮かび、『独立二胡師』 とお呼びするのかな・・・と思いました。
本業もお有りなわけですが・・・
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小梅さん (nisino)
2014-03-12 11:16:33
そうですねこの金属軸を直すのは彫金の技術が無いと出来ないかも、二胡の場合、皮の締め具も金属加工の技術、木工技術、塗装技術、そして皮の皮革技術、そして多少の音響の技術、それから何よりデザイン力、それからボンドやワックスを作る化学の知識、木軸を作る旋盤技術等々、楽器の中でも特殊かもしれません。全部が十分できるわけではありませんが爺になって良かったのは色々な知識が二胡つくりで統合されるようになったことかもしれません。何より修復の技術と言うのが大切で、昔アンティークの家具の修復などやったのが活きてきているとは思うのですが、一番は、二胡大好きという事だと思います。たぶんそこが基本でこれさえあれば誰でもできると思います。
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