二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

紫檀は曲がるその2

2024-01-13 10:10:31 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
これは棹が曲がっている画像です。
これだと分かりにくいですね。
これでどうでしょうか?
2ミリほど真ん中が持ち上がっています。
これは弦を外した時です。
弦を調弦した時には、さらに曲がって4ミリほどになります。
この二胡は小津やら4年ほど使っていたもののようですが、このままいくと更に進んで7,8ミリを超えるでしょう。
そうなると演奏している時にも気が付きますが、調弦する時にどうしても安定しなくなります。
棹の頭が前に倒れていくからです。
弦の圧力が駒を押す力が減ってきて伝わりにくくなり音も小さくなり音が揺れてきます。
この紫檀は小葉紫檀です。
同じ紫檀でも本紫檀は曲がりにくいです。
その代わり小葉紫檀より遠鳴りしにくいところもあります。
小葉紫檀の仲間の花梨はとても曲がりにくいです。
これも不思議な事ですね。同じ仲間のはずなのですが曲がりにくいのです。
基本的に、どんな木も熱をかけると曲がりますが、二胡の棹に使って普通に使っていて曲がるのは小葉紫檀が一番です。
ただ、同じ小葉紫檀でも曲がりにくいところはあります。
それは木の芯に近いところですが、ひび割れも多くとても取りづらくあまり見かけません。
しかし小葉紫檀の棹はとても良く響くのです。これはむしろ曲がりやすい木の持っている弾力が生きてくるのかもしれません。
小葉紫檀に近い響きとするとブラジリアンローズでしょう。この木はギターの裏板などにも使われ、また昔のピアノなどにも使われてたのです。
昨年末小葉紫檀の胴にブラジリアンローズの棹を付けた二胡を作りました。
何とも甘い響きの二胡が出来上がったのです。
ただ暫くはこれは作れないですね。
ブラジリアンローズは私の体に合わずアレルギーを引き起こしまして、これはもうブラジリアンローズは使えない。ネオちゃんが二胡を作れるようになるまで待つきりないですね。
いずれにせよ、皆さんがもし小葉紫檀の二胡をお持ちでしたら、また最近なんだか弾きにくくなったなどという事がありましたら、棹の曲がりを見てください。
棹の曲がりは直せますが、ゆっくりと熱をかけて戻しますので時間はかかります。およそ3週間から1カ月くらいです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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