二胡には雑音が付き物です、と言う話が普通に有ります。
確かに、倍音の多い二胡は限りなく雑音に近い音も出てしまいますが、
全ての二胡が雑音があるのかと言うとそうでも有りません。
そのことは皆さんも、先生の楽器を弾かせてもらったり、楽器屋さんで弾いたりしてご存知だと思います。
先生の使っているような高額の楽器なら雑音が無いのかと言うとそうでも有りません。
10万円以下の楽器でも雑音の無い物も有りますし。最近販売されている、高名な女性演奏家の名前のついた楽器ぐらい(29800円だそうです)のレベルでも、中には全く雑音も無く良い音のするものも有ります。
理由は、量産品の木の作り方と、皮の張り方に有ります。
木による雑音の原因としては、大量の木を製材して、木のどの部分であろうと構わずに6枚の胴の部分を作るからです。
木は芯の方が硬く、周辺部はやわらかいのが普通です。当然1枚づつ持っているキー音が違います。
それらをランダムに組み合わせるのですから、雑音が出ます。
中には同じ一枚の木に限りなく近い物が組み合わさることも有ります。その時には、木による雑音は出ません。
皮の場合も、皮が縦横に伸び方が違うというのを、構わずに張り込みます。
しかし弾力のある皮にあたれば、多少の伸びの違いは吸収してしまう場合も有り雑音が出えません。意外と薄い皮にそのようなことが起きます。
たまたま良い木の組み合わせが有って、それに伸びの均一な皮に当たったとしたら、それは雑音の出ない楽器になります。
中には全く違う種類の木が組み合わさったりしている胴に出会うことも有ります。
この時には直しようが有りません。
同じ種類の木で、多少違う部分を使ってあるものであれば、皮を張り替えさえすれば、その時に、内部を削って、6枚の木が同じ音になるようにすることはできます。
当然その時に皮も張り替えることが前提となります。
皮は長年使っていると伸びてきます。
最初かなり硬めに張って1年ぐらいして少し緩みますが、この緩む原因に2つ有ります。
一つは純粋に皮が振動で緩むということ、もう一つは、木が縮んで、結果として皮が少し緩無と言うことです。
必ずどんな二胡の胴の木も縮みます。
ですからどんな二胡の皮も緩みますが、その緩み方が均一で有るならば雑音は出ません。むしろ振動が大きくなって良く鳴り始めます。
木がバラバラに縮んだとしたら胴の皮は、張力が変わりますから雑音の原因になったりハイポジションの音が出にくくなったりします。
それらのことを考えると、多少使い始めてから2、3年経って木が日本の環境に慣れてきて、雑音の出て来る物やなかなか雑音の直らない物は、
皮を張り替えてしまいさえすれば雑音も消え、
元々良い材料を使ってあるものだったとしたら、相当高額な二胡と変わらない鳴り方をします。
そうなれば、直らない雑音のストレスを抱えながらあれこれ悩まずに、
折角始めた二胡を、良い音の楽器だと思いながらも自分はその音が出せないからとやめてしまわずに済むのではないでしょうか。
二胡の皮は、いつかは張り替えなければならない物です。
これはすべての皮を使った弦楽器に言えます。
雑音で悩まされているより思い切って皮張り替えてみたらいかがですか?
西野和宏
確かに、倍音の多い二胡は限りなく雑音に近い音も出てしまいますが、
全ての二胡が雑音があるのかと言うとそうでも有りません。
そのことは皆さんも、先生の楽器を弾かせてもらったり、楽器屋さんで弾いたりしてご存知だと思います。
先生の使っているような高額の楽器なら雑音が無いのかと言うとそうでも有りません。
10万円以下の楽器でも雑音の無い物も有りますし。最近販売されている、高名な女性演奏家の名前のついた楽器ぐらい(29800円だそうです)のレベルでも、中には全く雑音も無く良い音のするものも有ります。
理由は、量産品の木の作り方と、皮の張り方に有ります。
木による雑音の原因としては、大量の木を製材して、木のどの部分であろうと構わずに6枚の胴の部分を作るからです。
木は芯の方が硬く、周辺部はやわらかいのが普通です。当然1枚づつ持っているキー音が違います。
それらをランダムに組み合わせるのですから、雑音が出ます。
中には同じ一枚の木に限りなく近い物が組み合わさることも有ります。その時には、木による雑音は出ません。
皮の場合も、皮が縦横に伸び方が違うというのを、構わずに張り込みます。
しかし弾力のある皮にあたれば、多少の伸びの違いは吸収してしまう場合も有り雑音が出えません。意外と薄い皮にそのようなことが起きます。
たまたま良い木の組み合わせが有って、それに伸びの均一な皮に当たったとしたら、それは雑音の出ない楽器になります。
中には全く違う種類の木が組み合わさったりしている胴に出会うことも有ります。
この時には直しようが有りません。
同じ種類の木で、多少違う部分を使ってあるものであれば、皮を張り替えさえすれば、その時に、内部を削って、6枚の木が同じ音になるようにすることはできます。
当然その時に皮も張り替えることが前提となります。
皮は長年使っていると伸びてきます。
最初かなり硬めに張って1年ぐらいして少し緩みますが、この緩む原因に2つ有ります。
一つは純粋に皮が振動で緩むということ、もう一つは、木が縮んで、結果として皮が少し緩無と言うことです。
必ずどんな二胡の胴の木も縮みます。
ですからどんな二胡の皮も緩みますが、その緩み方が均一で有るならば雑音は出ません。むしろ振動が大きくなって良く鳴り始めます。
木がバラバラに縮んだとしたら胴の皮は、張力が変わりますから雑音の原因になったりハイポジションの音が出にくくなったりします。
それらのことを考えると、多少使い始めてから2、3年経って木が日本の環境に慣れてきて、雑音の出て来る物やなかなか雑音の直らない物は、
皮を張り替えてしまいさえすれば雑音も消え、
元々良い材料を使ってあるものだったとしたら、相当高額な二胡と変わらない鳴り方をします。
そうなれば、直らない雑音のストレスを抱えながらあれこれ悩まずに、
折角始めた二胡を、良い音の楽器だと思いながらも自分はその音が出せないからとやめてしまわずに済むのではないでしょうか。
二胡の皮は、いつかは張り替えなければならない物です。
これはすべての皮を使った弦楽器に言えます。
雑音で悩まされているより思い切って皮張り替えてみたらいかがですか?
西野和宏