例えば、胴の木にクラックが入っていたとします。
胴の後ろの方なら、問題は有りません。
クラックの内部を一度アルコールで洗います。
木の脂分を取らないと、ボンドも煮皮も剥がれてしましますから。
それからボンドや煮皮をその隙間に詰めて締め上げれば、クラックはふさげます。
問題は、皮の方にクラックが入っていた場合です。
木が乾燥でひび割れたのですから、外側に開いています。
それを締め上げると、皮が緩んでしまいます。
直径が小さくなりますから。
ですからこの場合は、皮を張り替えるか、ひび割れの中に同じ木の粉を詰め込んで固めてしまうという方法になります。
また頭が取れたとしましょう。
今の二胡の形の頭は非常に壊れやすい物です。
木目がそうなっているのと、細いからでしょう。
頭が取れた時に、修理する側として問題が有ります。
ご自分で1度ボンドなどで接着しようとして、上手く接着できず、そのまま修理に来られる場合です。
これは、胴のクラックも同じです。
ボンドなり煮皮は、木の表面に着くだけではないのです。
導管の中に食い込みます。
これは、その周りの木ごと削り落さないと、次のボンドが力を発揮しません。
物が接着するというのは、基本的にはその者同士が大変平滑になっていて、接着面同士が密着するという力が大きいのです。
ですから、ボンドにせよ煮皮にせよ、締め上げて密着させます。
ご家庭で使う、●×ラップと言うのが有ります。
陶器の面などに、ピタッと着きます。
あれも、表面が5000分の1ミリ以下の平滑面になっていますから、つくのです。
昔から大工の名人が二枚の板に鉋をかけて、水をつけて二つを合わせると離れないのだという話が有ります。
あれもホントです。鉋の刃を砥石で仕上げると、30000分の1ミリ以下の刃先になります。
それで削るのですから、表面はかなり平滑にできます。
その上、水を含ませれば、導管にも水が入り込み全体が、30000分の1ミリ以下の平滑面になりますから、手で押しただけで二枚の木はつきます。
もっとも出来る人は少ないですが。
と、話はそれましたが、
もし修理をしようと思われるなら、ご自分でボンドなりをつけないで持って来ていただけると、殆ど痕も残らずに直すことができますが、
一度ご自分でボンドなりをつけて失敗した後直しますと、(治せることは直せますが)
元の状態と言うわけにはいきません。
必ず痕は残りますので、(その部分を削りますから)ご了承ください。
西野和宏
胴の後ろの方なら、問題は有りません。
クラックの内部を一度アルコールで洗います。
木の脂分を取らないと、ボンドも煮皮も剥がれてしましますから。
それからボンドや煮皮をその隙間に詰めて締め上げれば、クラックはふさげます。
問題は、皮の方にクラックが入っていた場合です。
木が乾燥でひび割れたのですから、外側に開いています。
それを締め上げると、皮が緩んでしまいます。
直径が小さくなりますから。
ですからこの場合は、皮を張り替えるか、ひび割れの中に同じ木の粉を詰め込んで固めてしまうという方法になります。
また頭が取れたとしましょう。
今の二胡の形の頭は非常に壊れやすい物です。
木目がそうなっているのと、細いからでしょう。
頭が取れた時に、修理する側として問題が有ります。
ご自分で1度ボンドなどで接着しようとして、上手く接着できず、そのまま修理に来られる場合です。
これは、胴のクラックも同じです。
ボンドなり煮皮は、木の表面に着くだけではないのです。
導管の中に食い込みます。
これは、その周りの木ごと削り落さないと、次のボンドが力を発揮しません。
物が接着するというのは、基本的にはその者同士が大変平滑になっていて、接着面同士が密着するという力が大きいのです。
ですから、ボンドにせよ煮皮にせよ、締め上げて密着させます。
ご家庭で使う、●×ラップと言うのが有ります。
陶器の面などに、ピタッと着きます。
あれも、表面が5000分の1ミリ以下の平滑面になっていますから、つくのです。
昔から大工の名人が二枚の板に鉋をかけて、水をつけて二つを合わせると離れないのだという話が有ります。
あれもホントです。鉋の刃を砥石で仕上げると、30000分の1ミリ以下の刃先になります。
それで削るのですから、表面はかなり平滑にできます。
その上、水を含ませれば、導管にも水が入り込み全体が、30000分の1ミリ以下の平滑面になりますから、手で押しただけで二枚の木はつきます。
もっとも出来る人は少ないですが。
と、話はそれましたが、
もし修理をしようと思われるなら、ご自分でボンドなりをつけないで持って来ていただけると、殆ど痕も残らずに直すことができますが、
一度ご自分でボンドなりをつけて失敗した後直しますと、(治せることは直せますが)
元の状態と言うわけにはいきません。
必ず痕は残りますので、(その部分を削りますから)ご了承ください。
西野和宏