刀鍛冶の下ごしらえというのは、素材そのものを作ることになります。
弾力があって折れにくい、鋼、
硬くて、研げばどんなものでも切り落とせそうな鋼。
その二つが出来上がった時に、柔らかい鋼を、硬い鋼で包みます。
もちろん、包むと言っても、真っ赤に焼いて、二つに折ってその中に、柔らかい鋼を包み込みます。
それから形作りです。
叩いて、今度は長く伸ばしていきます。
十分な長さになった時に、刃の先端の作りや、全体のそり具合など、親方一人の仕事になります。
この時に大切なのは、バランスです、刀の左右上下がきっちり同じ質になるように叩いて行かないと、最後の焼き入れで、えらい目に会います。
だいぶ時間をかけた紫檀の乾燥がそろそろ良さそうです。
待って待って、含水率を測り、良しこれならというところで、いよいよ、胴の削りに入ります。
随分待ちました、25年も木場で乾かした、紫檀ですが、胴の大きさ、60ミリの幅で、14ミリの厚みに削り込みます。
棹も、24ミリ角で乾かしていたものを、今度は、平らを出し、直角を出して、22ミリ角にします。
そして、糸巻きの為の穴を開けますが、8ミリの穴です。
ホントは、11,2と9,4の傾斜した穴なのですが、とりあえず8ミリの穴を開けるのです。
内部を空気に触れさせて、乾燥進めます。下準備の乾燥です。
ここでまた待ちです。
こんどはそれほどでも有りません、自分で作った乾燥窯に入れて、35度くらいの水分のある空気を送り込みます。
何故水分を入れるのかというと、いきなり乾いた風に当たると表面だけが乾いてしまい内部が乾かなくなるからです。
鉄は湿気を嫌いますが、木は湿度のある熱を必要とします。
生き物ですから。
これで半月ほど待ちます。
その間、刀鍛冶は、仕事を続けます。
最後の仕上げになります。
それは焼き入れです。
鋼は、焼いて急冷すると結晶化します。
固まるのです。もうそれ以上分子が動かない状態が結晶です。
雪も凍って氷になると、結晶化して硬くなります。
銅は、叩き締めていくと結晶化します。
鉄の場合、赤くした鉄を水に入れる時に、水面に対して直角に結晶化するのです。
これを焼きを入れると言います。
この時に、刃先はかなり薄くなっていますから、直ぐ冷えやすいのです。
そうすると硬くなりすぎて刃こぼれしやすくなります。
それを守るため、粘土で刀の刃先を包みます。
焼き入れした後仕上げて研ぎだすと、この粘土の跡が出てきます。
それが、刀の波紋です。
刀鍛冶一人一人柄の付け方が違い、焼き入れ具合も違います。
面白いのは、刀を水に入れた途端、水の中で刀が動きます。
まず、水の方向に対して、曲がり更に反りかえります。
この時刀を持つ手にその反りの動きが伝わってきます。
これは感動します。
ここで刀の反りが完成するのです。
槌で叩いて、形を作るだけではなく、水の力でも形が整うのです。
火も水も偉大です。
おそるおそる、水から取りだし、土を取り除き、
荒い砥石で研いでみると、傷や曲がりなどが、でていたら、それは失敗です。
そしてそれは、ままあることではあります。
鉄は動きます。
数日してから、ピンと切っ先が割れてしまうことなども有りますし、数か月してから、傷が出てくることもあるそうです。
熱で処理したものは、ガラスなども同じ事が言えます。
ガラスなどは数年して何故ここが割れるのというようなことも有ります。
火と水と、人が思うようにコントロールできていると思うのは、錯覚なのではないかと、時々思います。
弾力があって折れにくい、鋼、
硬くて、研げばどんなものでも切り落とせそうな鋼。
その二つが出来上がった時に、柔らかい鋼を、硬い鋼で包みます。
もちろん、包むと言っても、真っ赤に焼いて、二つに折ってその中に、柔らかい鋼を包み込みます。
それから形作りです。
叩いて、今度は長く伸ばしていきます。
十分な長さになった時に、刃の先端の作りや、全体のそり具合など、親方一人の仕事になります。
この時に大切なのは、バランスです、刀の左右上下がきっちり同じ質になるように叩いて行かないと、最後の焼き入れで、えらい目に会います。
だいぶ時間をかけた紫檀の乾燥がそろそろ良さそうです。
待って待って、含水率を測り、良しこれならというところで、いよいよ、胴の削りに入ります。
随分待ちました、25年も木場で乾かした、紫檀ですが、胴の大きさ、60ミリの幅で、14ミリの厚みに削り込みます。
棹も、24ミリ角で乾かしていたものを、今度は、平らを出し、直角を出して、22ミリ角にします。
そして、糸巻きの為の穴を開けますが、8ミリの穴です。
ホントは、11,2と9,4の傾斜した穴なのですが、とりあえず8ミリの穴を開けるのです。
内部を空気に触れさせて、乾燥進めます。下準備の乾燥です。
ここでまた待ちです。
こんどはそれほどでも有りません、自分で作った乾燥窯に入れて、35度くらいの水分のある空気を送り込みます。
何故水分を入れるのかというと、いきなり乾いた風に当たると表面だけが乾いてしまい内部が乾かなくなるからです。
鉄は湿気を嫌いますが、木は湿度のある熱を必要とします。
生き物ですから。
これで半月ほど待ちます。
その間、刀鍛冶は、仕事を続けます。
最後の仕上げになります。
それは焼き入れです。
鋼は、焼いて急冷すると結晶化します。
固まるのです。もうそれ以上分子が動かない状態が結晶です。
雪も凍って氷になると、結晶化して硬くなります。
銅は、叩き締めていくと結晶化します。
鉄の場合、赤くした鉄を水に入れる時に、水面に対して直角に結晶化するのです。
これを焼きを入れると言います。
この時に、刃先はかなり薄くなっていますから、直ぐ冷えやすいのです。
そうすると硬くなりすぎて刃こぼれしやすくなります。
それを守るため、粘土で刀の刃先を包みます。
焼き入れした後仕上げて研ぎだすと、この粘土の跡が出てきます。
それが、刀の波紋です。
刀鍛冶一人一人柄の付け方が違い、焼き入れ具合も違います。
面白いのは、刀を水に入れた途端、水の中で刀が動きます。
まず、水の方向に対して、曲がり更に反りかえります。
この時刀を持つ手にその反りの動きが伝わってきます。
これは感動します。
ここで刀の反りが完成するのです。
槌で叩いて、形を作るだけではなく、水の力でも形が整うのです。
火も水も偉大です。
おそるおそる、水から取りだし、土を取り除き、
荒い砥石で研いでみると、傷や曲がりなどが、でていたら、それは失敗です。
そしてそれは、ままあることではあります。
鉄は動きます。
数日してから、ピンと切っ先が割れてしまうことなども有りますし、数か月してから、傷が出てくることもあるそうです。
熱で処理したものは、ガラスなども同じ事が言えます。
ガラスなどは数年して何故ここが割れるのというようなことも有ります。
火と水と、人が思うようにコントロールできていると思うのは、錯覚なのではないかと、時々思います。