さて、話が少しそれてしまいました。
楽器としての二胡の現状は、
①壊れても直せない。
販売したにも拘らず教室に入っていないと直さない等というところも有ります。
②価格がどのくらいが適正なのか解らない。
同じような金額で、鳴りの違いが歴然とある。高級品と言われたのに、雑音が沢山等
③品質の保証がない。
保証書という物さえないところもある。有ったとしても、極端な話し皮に穴が開いていたとしても問題ないとされてしまう等。
④販売者の言うことが、各々違う。
楽器の保存法など、取り扱い方の説明がかなり違う。
⑤販売時点で適正に調整されていない。
二胡は雑音が有るのは当たり前と説明される。千斤の種類、控制綿の種類など。
⑥販売者が間違った情報を伝える。
音を柔らかくするには、皮にオイルを塗ればよい等。
以上の事にどれか一つでも出会わなかった人はいらっしゃいますか?
これらは、通常の商品だとしたらかなり問題になる事なのではないでしょうか?
もしこれが、日本のメーカーの楽器だったとしたら。以上の様な事は有りうるのでしょうか?
皆さんが、他の楽器を購入して、このような事が有りうると思いますか?
先日いらしたお客様の中に、あるメーカーの楽器をお持ちの方がいらっしゃいました。
皮がもうすでに、駄目になる寸前ほど伸びてしまっていて、私は10年以上使ったものかと、そのようにお聞きしたところ、購入して1年半だとのことでした。
交換してもらったらどうですかと、おススメしたところ、販売主は問題ないと言っていたとのことでしたので、それ以上はお勧めしませんでした。
ちなみに、お客様が購入された物と似たような光舜堂の楽器を弾いて見てもらったところ、
「さすがに日本製は鳴りますね。所詮これは、中国製ですから」とおっしゃっていました。
確かに、今家電や食品など、様々に中国製はと言われています。恐いのは食用油の問題などですよね。
でも、私の知っている中国の二胡製作者の中には、相当、私が脱帽するくらいまで緻密に作り上げた物などもあるのです。特に、中国で購入されたものには大変良い楽器が多いようです。
多分ちゃんとした楽器は有るのです。
しかしそれらは中国でもなかなかに高額で、日本に販売目的で輸入されたとしたらば、相当の高額(70万を越える)になるのだと思います。
しかし、それらは日本では殆ど見る事が有りません。
良く良い皮が入らないからだとも言われますが、これは違います。
今は蛇皮は殆どが養殖です。
ですからそれほどの差は無いのです。
唯まれに天然ものを見かける事も有りますが、必ずしも、それがとんでも無く良い鳴りになるということではありません。
むしろ、木の良いのが無いというのは、良く解る事なのです。
その責任の一端は、日本にも有ります。バブルがはじける以前に、日本の商社が、紫檀黒檀を家具材として、あるいは床柱材として、乱伐してしまったということも有ります。また、中国でも清朝の頃には相当に乱伐したようです。
ですからたまに、古い楽器には、本物の紫檀や紅木(コウキ紫檀、小葉紫檀、レッドサンダー)等があったりしますが。現在小葉紫檀と言われるもので、全部小葉紫檀で作られたものは見た事が有りません。
木の名前が違うのはいたしかたない事かもしれません、日本でも地方地方で呼び名が違いますから。
しかし、商品(楽器)としてはどうなのでしょうか。
まあ、ギターの世界などでも、ココポロをハカランダという名前で売っていたりもしますから、商売というのはそのような物なのかもしれません。
だまされる方が悪いのだという感覚の商売は、日本人にはついて行けないと思いますが、どうでしょう?
楽器は、特に木で作られた楽器は、経年変化と共にメンテナンスしながら使いこんでいくというのが普通なのです。
販売が販売だけで終わらないで、その後のメンテナンスが含まれた状態での販売であるべきなのです。
他の楽器(バイオリンなど)をやって来た人にとっては、これは常識なのですが、二胡に関しては、意外と楽器に触るのは二胡が初めてという方も多くいらっしゃいます。
生産地が外国で有った為でしょうか、或いは、蛇皮を使っているという、ちょっと非日常的なイメージがあるせいでしょうか、また或いは、そのゆれる音から来るのでしょうか?
二胡は、楽器、音楽を奏でる道具ということよりも、個人個人の感情的な部分に寄りかかって存在しているのが、今の日本の二胡の世界であるような気がします。
楽器としての二胡の現状は、
①壊れても直せない。
販売したにも拘らず教室に入っていないと直さない等というところも有ります。
②価格がどのくらいが適正なのか解らない。
同じような金額で、鳴りの違いが歴然とある。高級品と言われたのに、雑音が沢山等
③品質の保証がない。
保証書という物さえないところもある。有ったとしても、極端な話し皮に穴が開いていたとしても問題ないとされてしまう等。
④販売者の言うことが、各々違う。
楽器の保存法など、取り扱い方の説明がかなり違う。
⑤販売時点で適正に調整されていない。
二胡は雑音が有るのは当たり前と説明される。千斤の種類、控制綿の種類など。
⑥販売者が間違った情報を伝える。
音を柔らかくするには、皮にオイルを塗ればよい等。
以上の事にどれか一つでも出会わなかった人はいらっしゃいますか?
これらは、通常の商品だとしたらかなり問題になる事なのではないでしょうか?
もしこれが、日本のメーカーの楽器だったとしたら。以上の様な事は有りうるのでしょうか?
皆さんが、他の楽器を購入して、このような事が有りうると思いますか?
先日いらしたお客様の中に、あるメーカーの楽器をお持ちの方がいらっしゃいました。
皮がもうすでに、駄目になる寸前ほど伸びてしまっていて、私は10年以上使ったものかと、そのようにお聞きしたところ、購入して1年半だとのことでした。
交換してもらったらどうですかと、おススメしたところ、販売主は問題ないと言っていたとのことでしたので、それ以上はお勧めしませんでした。
ちなみに、お客様が購入された物と似たような光舜堂の楽器を弾いて見てもらったところ、
「さすがに日本製は鳴りますね。所詮これは、中国製ですから」とおっしゃっていました。
確かに、今家電や食品など、様々に中国製はと言われています。恐いのは食用油の問題などですよね。
でも、私の知っている中国の二胡製作者の中には、相当、私が脱帽するくらいまで緻密に作り上げた物などもあるのです。特に、中国で購入されたものには大変良い楽器が多いようです。
多分ちゃんとした楽器は有るのです。
しかしそれらは中国でもなかなかに高額で、日本に販売目的で輸入されたとしたらば、相当の高額(70万を越える)になるのだと思います。
しかし、それらは日本では殆ど見る事が有りません。
良く良い皮が入らないからだとも言われますが、これは違います。
今は蛇皮は殆どが養殖です。
ですからそれほどの差は無いのです。
唯まれに天然ものを見かける事も有りますが、必ずしも、それがとんでも無く良い鳴りになるということではありません。
むしろ、木の良いのが無いというのは、良く解る事なのです。
その責任の一端は、日本にも有ります。バブルがはじける以前に、日本の商社が、紫檀黒檀を家具材として、あるいは床柱材として、乱伐してしまったということも有ります。また、中国でも清朝の頃には相当に乱伐したようです。
ですからたまに、古い楽器には、本物の紫檀や紅木(コウキ紫檀、小葉紫檀、レッドサンダー)等があったりしますが。現在小葉紫檀と言われるもので、全部小葉紫檀で作られたものは見た事が有りません。
木の名前が違うのはいたしかたない事かもしれません、日本でも地方地方で呼び名が違いますから。
しかし、商品(楽器)としてはどうなのでしょうか。
まあ、ギターの世界などでも、ココポロをハカランダという名前で売っていたりもしますから、商売というのはそのような物なのかもしれません。
だまされる方が悪いのだという感覚の商売は、日本人にはついて行けないと思いますが、どうでしょう?
楽器は、特に木で作られた楽器は、経年変化と共にメンテナンスしながら使いこんでいくというのが普通なのです。
販売が販売だけで終わらないで、その後のメンテナンスが含まれた状態での販売であるべきなのです。
他の楽器(バイオリンなど)をやって来た人にとっては、これは常識なのですが、二胡に関しては、意外と楽器に触るのは二胡が初めてという方も多くいらっしゃいます。
生産地が外国で有った為でしょうか、或いは、蛇皮を使っているという、ちょっと非日常的なイメージがあるせいでしょうか、また或いは、そのゆれる音から来るのでしょうか?
二胡は、楽器、音楽を奏でる道具ということよりも、個人個人の感情的な部分に寄りかかって存在しているのが、今の日本の二胡の世界であるような気がします。
二胡の場合は、弦で、弓で、駒で、皮の張り替えひとつで、性格が変わったようにどんどん良く鳴り響いてくれるようになってくることを最近、私も経験しているところです。もともと良く鳴ってくれるように作られてある楽器なら、問題は至って少なく、音楽への扉が容易に開かれていくことでしょう。太鼓の胴からの響きが棹にまで伝わって、「えっ、どうしたの?」と思うくらい、気が立ちのぼってきて、拉いている本人の耳もとでホワーンと快くあの天使のささやきが聞こえ、その息吹きに包まれるようなのです。そんな状態にある楽器は、人格や性格のよい友だちのように、ともに過ごす時間を実り多いものにしてくれることでしょう。