二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日々鬱々、その7。

2012-12-27 09:52:21 | ■工房便り 総合 
太鼓の場合、皮を叩くと、全体の胴が鳴ります。

その音が全体として外に広がっていきます。

太鼓は通常一つの種類の音だけを出します。

演奏のテクニックとして、皮に指など押し付けて皮を緊張させ高い音を出すようなこともします。

しかし持っている基本的な音は一つです。

胴の裏に皮をつけたり、胴を長くしたりして、音を複雑にする物もあります。

太鼓の中で一番いろいろな音に反応するのが、タブラと、ジャンべです。

タブラは、木の胴に皮を張ったものですが、その皮が二重になっていたり、中心部に多分鉄粉を固めて張ってあったりして、最低3種類の音が出ます。

これは皮を加工していろいろな音に対応できるようにしたものです。

ジャンべは、皮を叩く部分によって多少音の高低を作ったりも出来ます、太鼓の類は真ん中を叩くのと端の方を叩くので多少音に変化をつけられる物もあります。

その音を拾い出せるように、筒の内部が単なる筒ではありません。

ティンパニーなどのような、お椀状の部分と、細くくびれた長い胴の部分の複合体なのです。

ですから多少は音の高さを複雑にたたくことが出来ます

二胡の場合も弦はいろいろな振動をして音の高低を作りますがそれを拾い出す構造が必要なのです。

だとしたら、ジャンべの構造はその意味では基本になるのではないかと考えて、以前から西野二胡はそのように作って来ました。

ですから高音まで、今までの二胡より鳴ります。

弦は、低音になればなるほど、太くもなり長くもなります。

そうすると振動の幅も広くなり目に見えて弦も揺れます。

この強い振動に耐えるように胴も作らないと、音がちゃんとした音になりません。

低音の二胡は、胴の木が厚くなるべきなのです。

今までの中胡と言われるものは、殆ど普通の二胡の木の厚みと変わりません。

低い音の振動に耐えられないのです。

木の厚みを厚くし、よりお椀状に内部を削れるように、後ろの方を小さくします。

胴の皮を張る部分は、今までより厚い8ミリ有ります。

更に後ろの方の一番厚い部分は、12ミリ前後あります。

皮の処の直径は95ミリと、普通の二胡より、5ミリ大きいですが、

胴の後ろは普通の二胡より、1センチくらい小さく作っています。

さてこれでどんな音が出るのかお楽しみです。

試作の物は、ブラックウッドで作りましたが、今後沢山広めるという事を考え、手持ちの木の中でも比較的私としては安く入手できるココポロを選びました。

ココポロは、紫檀です。

マメ科独特の明るい音が大きく響きます。(因みにブラックウッドマメ科です)

さて、これから最終仕上げにかかります。

4台作った、それぞれ違う形のこのGDの低音用の二弦の楽器。

音出しが楽しみです。

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