二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

音色探し、その8 (この項終わり)

2010-09-12 20:53:51 | ■工房便り 総合 
私の二胡を弾いていただいた、プロの演奏者の方々の御意見の要約です。

これは北京系の響きですね、とおっしゃる方、

これは古い、南方の楽器の音、と言う方、

これは二胡の音ではないと言う方、

これこそ、このボリュームこそこれからの二胡と言う方。

デザインがいいよと言う方、(??音の話しではありませんでした)

みなさん、御自分の弾いておられる、楽器以外の名前でした。

私のは、実は、戦前の、上海の二胡、が原型です。

それも当時使っていた、本物の、紫檀です。

音色は、木によってかなり、形ずくられます、響きと言ってよいかもしれません。

鳴り、と言うのかもしれません。

中華街の、おばあさんに弾いてもらいました、

そしたら、彼女、こんな古い二胡どこで見つけたの、?

皮張り替えた?

彼女には、昔使っていた楽器そっくりに聞こえたそうです。

とても、嬉しかったです。

彼女いわく、

二胡の音、時代によって変わってくるのだそうです。

お年寄りの常ですかね、「昔の音の方が良かったよ。」

だそうです。


音色という言葉にも色々有りそうですねこれは、あくまでも、私の想いですが、、、、


音色、ねいろ。


単純な、音、という言葉ではないのでしょう。

響き、というわけでも有りません。

言葉遊びのようになってしまいます。

最近思うのは、楽器そのものには、響きもあれば音も有ります。


良い音色ですね、

素敵な音色ですね。

と言った時、それは演奏を誉めている時の様な気がします。

楽器に音色があるのか?

と言う疑問がいつも有ります。

特に出来たての楽器。

弾いて、弾きこんで、初めて音色が出て来るようなのです。

むしろ、音色は演奏者の物と言う感じがあります。

楽器は、その演奏者の想い、感性、感情。

それらを、演奏者の、想いのままに表現できる、性能を持っているか、

と言うことでは、ないでしょうか。

みなさんは、言うでしょう、

黒檀の音と言うのがある。

紫檀の音と言うのがある。

確かに、

でも、それは誰かが弾いているのを聞いて、

ああ、これ黒檀の音と、紫檀の音と思うのでは、ないですか?

CDを聞いて、これ、黒檀の音、紫檀の音、と、当ててみてください。

大概、誰々が弾く黒檀の二胡、ではないですか。

実は私には、解らないのです。

解るのは、蘇州系の音、北京系の音、と言うことです。


さて、みなさんも経験あると思います。

先生が、「ちょっと貸して、」と言って生徒さんの二胡、弾き始めます。

「こんな感じの曲ですよ、さあ弾いてみましょう。」

「ちょっと待って、そこは、」と言いながら、違う生徒さんの違う二胡で、

「こうですよ、ね。」

先生はどれを弾いても、先生の音色ではないでしょうか。

何でどの楽器弾いても良い音色なんだろう、と思います。

音色は、皆さんの、頭の中に有って、心の中に納まっているような気がします。

この音色、と想い、

弾きこんで弾きこんでいくと、楽器は雑音も無くなるし、鳴り始めるし。

楽器に色がついてくるのではないでしょうか。

もちろん、楽器そのものに、固有の振動があります。

でもそれは単なる振動の束、なのではないでしょうか。

それらを撚って撚って、複雑に絡ませ、

弾いて、弾きこんで、いらない振動を消し去り、

あなたの感性を、振動で織り込んでこそ、

楽器は、貴方の音色を、紡ぎだすのだと思います。

この項終わります。

西野和宏



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4 Comments

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なんとなく… (やすぞ~)
2010-09-09 11:37:50
歌うと言うことが分かりました。

私に足りないのは、第一に弾き込み。
それと、自分の中のイメージ・想いです。

表現していくのは、まだまだ努力不足です…
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やすぞ~さん (nishino)
2010-09-09 14:25:14
これは、私のホントに、独断と偏見ですよ。

楽しく弾くのが一番ですね

私なんか音階に毛の生えたものですから、

一生楽しめればと思っています、そのうち良い音するかも。
返信する
そうなんですよ (Jimmy)
2010-09-12 22:47:30
ワタクシも実は紫檀の音とか黒檀の音とかって、区別が付かないです。

でも演奏家の音の違いはなんとなく分かります。だいたい音を聴くとあの人の演奏じゃないかな?とか。。。

それがプロの個性なんだと思いますね。同じように自分の音はこれだ!って言える様になりたいものです(笑

だから、楽器もそう。この人が作った二胡はこういう音ってのがあるべきではないかと。

中国の有名製作者が作る楽器にもそれぞれ特徴があるようです。
材料が違っても、それなりの作り方の工夫があるのでしょう。だからその人が作る二胡には定評ができて、それを使う演奏家が増えるみたいな感じかなぁと思うのでございます。

ですから、西野二胡はこういう音ってのがあって然るべきだし、実際そういうふうになって評価されているのではないかなと思います。

他の二胡と同じような音作りをするなら、存在価値はないと思うのでございます。
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さすが (nishino)
2010-09-12 23:21:51
jimmyさん

肝に銘じます。

大分納得してきてはいます。

シャム柿、これは西野の音になりそうな予感がします。
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