二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の価格。

2013-04-19 11:22:17 | ■工房便り 総合 
楽器の価格というのは、どれが正しいかは、誰も決められません。

生産値段と、楽器としての性能、そして愛着度。

生産値段というのは、世の中に出ている他の商品などと同じでしょう。

量産品は安いですし、一点物は当然高くなります。

バイオリンなども、3万円位の中国製から、5億円もするストラデバリウスまで、様々です。

二胡も、生産地の中国の量産品の500元(6千円)位から、作家物の3万元(39万円)位までいろいろあります。

大まかに言うと、5千元(6万5千円)以上のものは高級品として扱われているようです。

これらが日本に来ると、税金や、輸入手数料、販売手数料、店舗の維持費など入れると、だいたい5倍くらいにはなるのが、これはどんな製品でも同じことが言えると思います。

ということは、日本で30万円位のものは、かなり高級なある一定レベルの楽器の性能を持っていると思ってよいとは思いますが。

さてどうなのでしょう。

二胡の購入という点で一番問題なのは、なかなか出合えないということです。

皆さんは今までに何台くらい弾いたことが有りますか?

二胡弾きの殆どの方は、多分2,3台弾いたことが有るというのが普通でしょう。

さて、次はもっと良い物をと思って、楽器屋さんに行ったところで、ガラスのケースに入ったものを出してもらい、

弓を付けてもらい、その上お店の人の見ている前で弾くというのは勇気のいることで、精々その場で3台でしょう。

私みたいな小心者は、全部弾かせて下さいとはとても言えませんね。

私にしても他の店に行けばそうなのです。

しかし、沢山弾けば良い物、自分の好みの物に出会えるかというとそうでもありません。

ある日突然、出会えるのです。

探していなくても、出会えるのです。

不思議な事に、これは私の楽器だと思う物に出会えるのです。

そういう時には、金額というのは関係ないですね。

こういう楽器をこのくらいの金額で、と考えていても出会えはしません。

二胡を、バイオリンを自分の中にしっかりとりこんだ生活をしていると、自然に出会えるようです。

多分アタマの中で、自分の音のイメージがしっかり出来上がってきているからでしょう。

これは大切な事です。

楽器は一生の友達です、パートナーと言っても良いかもしれません。

或いは自分自身という方もおられます。

二胡の価格は、今一番高額な物は、100万円ともいわれます。

そこまで行かなくとも、7,80万円の物はざらにあります。

4,50万の物も相当に増えて来ています。

以前は楽器屋さんに1台くらいしかなかったような金額の物です。

二胡はこれからますます金額が上がります。

理由は、中国のインフレです。

今中国はすごい勢いで、経済成長をしています。

つい、10年ぐらい前は、年収12万ぐらいでした。

今年収100万円ぐらいになっていると言われます。

日本も、私の大学を出た頃の初任給が、月に3万円ぐらいでした。

でもそれから10年して、1980年代には、もう10万円に上がっています。

いま、中国もその勢いです。

多分10年後には二胡も、3倍くらいにはなるでしょう。(光舜堂の二胡は安い物の方に入ってしまうでしょうね)

でも楽器は、一生の物です。

価値観は違うかもしれませんが、車はせいぜい購入してから、頑張って10年ぐらいです。

それでも100万以上はしてしまいます。

それを考えたら、楽器は安いものです、上手くメンテナンスを続ければ、500年は持つでしょうから。

今中国で、楽器に対する考えからが少しづつ変わってきています。

良いのか悪いのか?

コウキ紫檀の(小葉紫檀)の二胡が300万円と言われます。実際その金額がじりじり上がっているそうです。

理由は、投資です。コウキそのものが無くなっていますから。

でも、良い楽器は金額が下がらないというところまでは二胡の世界でも行くとは思います。

これも、材料の枯渇ということが原因です。

300年400年と長い年月をかけて成長して来た、紫檀黒檀が、伐採された後何の手当てもされていませんから、今気がついて植えたとしても、300年後に使うことが出来るだけです。

それも自然に育って来た強い木ではありません。

そういう点で二胡はバイオリンなどより、材料に寄りかかるところが大きいですから、楽器の値段というのは下がっては行かないのではないでしょうか。

木材の市場から考えて、今は良き木の物が手に入る、最後の時期に来ているのかもしれません。





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