二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

次の実験。

2013-04-12 09:09:22 | ■工房便り 総合 
元々が科学者タイプなのでしょう。

いろいろ試してみたくて仕方が有りません。

ストラデバリが完成させ、それを超えることはできないと言いわれるバイオリンでさえ、まだ可能性はあるとは思うのです。

二胡を作って来て、材料の違いで音色が変わる、その変化が楽しめる楽器としての良さというのに気が付きました。

馬頭琴は、今は裏板はメープル、表板は、スプルス。

これはバイオリンと同じですね。

でもモンゴルで作られた当初は、モンゴルの白樺だそうです。

メープルより硬いと言われます。

それより、砂漠のイメージの強いモンゴルに、白樺あったというのが驚きです。

バイオリンは鳴る、ということを追求してきた楽器です。

ギターも、馬頭琴も、表板はスプルスです。

多分振動板としては、これが一番優秀なのでしょう。

でもギターなどは裏板はそれこそ、数十種類の木を使い分けます。

だとしたら、バイオリンも可能性があるのではないでしょうか。

二胡につくって良くなる材料というのは、一番は、アフリカンブラックウッドでしょう。

次に、花梨。

音が大きいということでは、日本産の胡桃が最強でしょう。

音色の良さという事と鳴りを兼ね備えているのは、シャム柿、そしてコウキ紫檀でしょう。

ただ残念ながら、コウキ紫檀というのは、バイオリンの裏板を作るような大きさの木というのが有りません。

かろうじて植林物のコウキ、インド紫檀なら、なんとか2枚をはぎあわせれば、(バイオリンの裏板も表板も2枚の接ぎ合わせです)なんとかなるかもしれません。

胡桃ならそれこそ、腐るほど持っています。丸太で有りますから。

ヴィオラダモーレなどはウォールナットの裏板があったと言われますから、胡桃と同材です。

これはかなり可能性有りますね。

二胡好きには怒られてしまいそうですが、シャム柿がもしかしたらバイオリンの裏板としては最高ではないかと考えています。

音色に透明感があるのと、導管が大きく鳴りというのが確保できそうな事です。

渋いワビサビの解るバイオリンというのはどうでしょう。

バイオリン作りの良いところは、裏板だけ剥がせるのです。

ようするに張り替え可能なのです。

バイオリンは全分解できるように作ってあります。

ほぉさんがこのところ風邪ひきで休んでいます。

鬼の居ぬ間に、ほぉさんのバイオリン裏板だけ張り替えてみようかなどと、あらぬことを考えたりもしていますが、

穂ぉさんのバイオリンはとても良く鳴り、多少ボリュームは小さいですが、音色の良い楽器です。

ですからこれはあきらめて、やはり自分で全部作るしかないですね。

そうそう、ある人のブログを読んでいたら、バイオリンやギターは細かいことが多く、自分では作れそうにないが二胡なら、それほどでも無く簡単だという話が有りました!!

二胡は紙やすりの一擦りで音が変わってしまうような楽器です。

もしそれほど簡単なら既に作っている人が日本にもたくさん居ても良いと思うのですが。

私はそうは思っていません、これだけ何十年も木工をやってきた私でさえ、二胡は大変です。

ストラデバリは1週間で一台バイオリンを作ったと言われます。

機械という物の無かった時代にです。

確かに二胡の胴は機械力があればそこそこは出来上がるでしょう。

なんとなく二胡という音もするかもしれませんが、さて、それほど簡単な物でしょうか。

二胡はそうはいきません。皮だけでも良い皮を張るには3ヶ月はかかるのですから。

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