二胡工房 光舜堂

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二胡とバイオリン、これからの変化は?

2013-04-11 09:28:19 | ■工房便り 総合 
二胡は自然の木そのもので、その性質をそのまま使って楽器になっています。

胴を構成する板と、棹の持っている音色そのものを鳴らそうとする楽器です。

バイオリンは鳴るということを形にしようとしてきた楽器です。

表板と裏板をより効率的に薄く削りそれを補強する意味での骨組みとして成り立っています。

どちらかと言うと、弦の振動を聞かせようとするところが有ります。

そういう意味からいくと、カーボンの胴のバイオリンやチェロでも問題は無いのでしょう。

胴の材料の音色を強調するわけではありません。

もちろん最低限の材料の音色と言うのがあるからこそ、その構成する材料が、スプルスと楓になってきたのかもしれません。

それ以前は裏板にポプラなども使われていました。

弦の響きだけを取り出して聞かせるという点では、エレキギターなどもそのうちに入ります。

胴の材料は必要以上には使わず、最低限の材料の音色を使って弦の響きを再生します。

正直言って、スピカ-を通した時に、その材料の音色と言うのがどのくらい違いがあるのかは、私には解りません。

ギターに詳しい人ならその違いを微妙に聞き分けるのでしょう。

二胡は違いますね、その点材料が紫檀や黒檀と変化すると、それほどのプロではなくとも、音色の違いというのを聴き分けます。

三線や三味線なども材料による音色の違いというのが出て来ます。

それは楽器として、音色中心にして考えて作られて来たからかも知れません。

ギターもやはり材料の違いによる音色の変化を楽しむところが有ります。

ですから、ギターの演奏者も、とてもたくさん持ってい居る方も多く、私の友人も、な、ん、と

41台。

しかし、二胡も、多いですね、!多数お持ちの方。

それはやはり二胡が材料による音色の違いを楽しむというところがあるからかも知れません。

バイオリンは、複数台お持ちの方も多いかもしれませんが、演奏に使うというのは殆どの方が1台だけのようです。

バイオリンの金額が高額であるということもあるかもしれませんが、音色より鳴る、と言うことを中心に考えるとどうしても、一台に絞られてきます。

私も沢山の彫刻刀を持っています、200本ぐらいでしょうか。

よく見てみると、同じ種類のものが何本もあります。

でも、使う時にいつも手に取る鑿と言うのは同じになってしまいます。

ですからその一本だけが、大変短くなっています。

楽器の場合は使ってもますます良くなるだけですから問題はありませんが、鑿は使えば使うほど減っていしまいます。

これはバイオリンの場合道具と言う感覚に近いのかもしれません。

演奏するための道具、音楽を聴かせるための道具、ということでしょうか。

二胡をいつも弾いていると、殆ど感じませんが、バイオリンの曲などを聴いた時に、あまり音色と言う感じはしません。

音楽の方を聞いてしまいます、楽器の音色を聞くという感じではないのです。

音楽の道具と言うのがバイオリンの役目なのかもしれません。

しかし、以前聴いたビオラダモーレ、(バイオリンの前身とも言われます)の音色の美しいこと、これはいつもバイオリンを聴いた時に反対に思い出します。

もしかしたらこの方向の、バイオリンの作り方もあるのかもしれないなどと最近考えています。

バイオリンでも、指板や顎当てなど材料をローズウッドにすると音色が変わると言われます。

それだったら、裏板だけでも変えてみるのもありかもしれませんね。




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