二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

修理は第一。

2016-03-29 14:01:02 | ■工房便り 総合 
弓や、駒や皆さんには大変お待たせして申し訳ありません。

このところ二胡の修理に追われています。

やはり、楽器が壊れるというのは皆さんにとってとてもつらい事です。

中にはこれ一台だけという方もいらっしゃいます。
(このような時はリノベの二胡を無料でお貸しします)

胴が割れた台が割れた、頭が取れたなどというのは日常茶飯事ですね。

中には棹に亀裂が、棹が曲がって、

木軸が抜けてしまって、

かなり手こずるのは金属軸の修理ですね。

にしても、

まずは健全に鳴る楽器を皆さんの手元にお返しするのが、私の役目です。

そしてやはり修理は急ぎます。

するとどうしても、駒造りや、弓造りが遅れてしまいます。

弓も皆さんが思っているより時間のかかる物なのです。

こんな状態の物が私の手元にきます。



これを火で直すのですよ。

これをまず苛性ソーダの3%溶液で半日ほど煮込みます。

それを、洗います。

そして一月ほど天日で乾かします。

この工程を中国ではやっていません、自然のままの竹を使っています。

ここから弓造りが始まるのです。

その後火を使ったり刃物を使ったりその竹それぞれが、弓の役目を果たすように、作り上げていきます。

かなり良心的な中国の弓屋さんは、火をかけて竹を硬くしてというのはやっています。

但し、火の焦げ跡があまり美しくないと判断するからでしょうか、

赤や黒に塗ってしまいます。

この塗ってしまった竹演奏上の問題が一つあるのです

重音の演奏が出来ません。

普通二胡の重音は、弓毛と竹の棒で二つを同時に弦に当てることで実現しますが、

塗装をしてしまった二胡の弓の竹は、音が出なくなります。

ですから重音での演奏を良くする方は、塗装した竹は使わない方が良いと思いますよ。

ものは試しですからやってみて下さい。

と、話は飛びました。

この間、約2ケ月はかかるのです。

そこから先端を曲げて、

竹の張力が生きるように軽く曲げたりもします、それから毛を張るのです。

毛を張るというのは作業工程で言えば、約半分くらいですかね。

毛を張るにしても私は単に張るだけですがその前段階で、ほぉさんの仕事があります。

毛の数を数えるのです。

「西野さん老眼鏡買って下さい、これは仕事上の問題ですからね」

この毛とあの毛を何本、全体で、250本、あるいは300本と東風や西風の弓の種類によって変えていきます。

毛が張り終えたら、肝心の洗いがあります。

2リットル入りの大きなボトルの洗剤が一月でなくなりますね。

女房が始終洗剤買うのが良く分かります。

とこんな感じで、福音弓造りは進みます。

最後に松脂を塗って、試し弾きです。

試してみながら再度竹に火をかけることなどもあるのです。

それから一週間は置きます。

竹の戻りがあるからです、あるいは竹が思ったより曲がりが進行して曲がりすぎることもあります。

もしかするとお手元に届いてからも、あるかもしれません、その時には言って下さい。


と、、二胡屋、へグムの修理、の間にこんな感じで弓を作っています。










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