二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

8月13日(日) デンペン保護テープは止めよう!! 11:00~17:00

2017-08-19 08:34:21 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
お盆休みも終わり、いよいよ夏も終盤に差し掛かりましたが、
なんだかシャッキリしないお天気が続いていますね。
皆様は夏を満喫出来ていますか?
あ、二胡の蛇皮は塩気に弱いですからビーチでの演奏はNGですよ!
お気をつけ下さいね☆


さて、今週の営業日はお盆休み週間、しかも3連休だったこともあり、
とても遠くからのお客様達がいらっしゃいました。
まずは沖縄から、そして山形から!!
南と北からのお客様が同じ時間帯に出会うのもなかなかない事ですよね。

初来店だったSさんと、何度もいらしているIさんですが、
どちらもこの日が西野二胡初体験でした。
そして、どちらもがハマったのはシャム柿!
まぁ二胡の好みは十人十色とは言え、シャム柿はハマったら虜ですね。
紫檀の華やかさに比べて抑え目の音色は日本人に好まれますし、
なにしろ色が渋く綺麗で、木目が良い!!
出来立ては緑がかった水墨画のような木目が、時が経つと深みを増します。
また、なんと言ってもこの材の二胡は西野二胡にしか無い、
というところが西野二胡ユーザーとしてのココロをくすぐるのか、
既に西野二胡をお持ちの方々の中でもシャム柿のユーザーさんは、
一段と誇らしげに使って下さっている印象があります。
特に、今後は一枚板造りの『宇南二胡』のシャム柿はもう作らないので、
今完成している物だけで終わりです。ですので、
今までのシャム柿のユーザーさんは更に特別感が増すでしょう。
(今後シャム柿の二胡として登場するのは『やまと二胡』です)

そんなわけでお2人とも
「シャム柿キケン!」「シャム柿は弾いたらヤバい二胡だ!」を連呼(笑)
また何度もいらしているIさんは、西野二胡そのものにもビックリ。
今までのご来店時に弾いたことが無かった西野二胡が、
他の二胡とはここまで違う物とは思っていなかったそうです。
「こんなに違うなんて!」
と、文字通り、目の色が変わっていらっしゃいました(笑)
(でもご自分の二胡を大事にするんだそうです、何より何より♪)

そうそう、人気のチェリー・レッドのケースの色名のきっかけとなった
佐藤錦は、このIさんが送って下さったんですよ。という事で、
「記念にwww」と、店主の”レオンもどきポストカード”を
Iさんにプレゼントしました(笑)
現物を背負ってみたIさん、ケースの軽さに驚愕されてましたが、
「西野さんならこの色似合うけどなぁ。。。」 って、
やはり男性に赤はハードル高いですかね (お似合いでしたよ???)


話は変わりますが、
現在、送りでのご依頼を含めて、デンペンの交換修理が多く来ています。
デンペンそのものが消耗している症例もありますが、
そのご依頼の多くは、
デンペン保護テープをベタベタに”こじらせた”物ばかりです。
何度も言いますが、
光舜堂は『デンペン保護テープ』には断固反対です
『でんぺんシール』なんて商品作っているじゃないか、
と言われそうですが、通販卸用に『でんぺんシール』を作ったのは
他社製品があまりにも酷いからで、
あとは、竹の音を消す役割としてなら『でんぺんシール』は有効だからです。
竹の音消しの為には、
竹が当たる部分だけの、胴の外側半分のデンペンに張ります。
これは、桐子ちゃんを始めとするプロ奏者も認めています。
しかし、竹の音消しとして半分にカットする使い方をする人よりも
デンペン保護にしようと購入する人の方がまだまだ多いので
現在欠品していますが再製作をするべきか迷っています。
その用途で使って欲しくないのです。

デンペンは、それそのものが皮を保護する用途の消耗品です。
皮を保護する為に、そして弓の竹を保護する為にデンペンはあるのに、
それを更に保護するのはおかしいし、
そもそもそのテープのせいで弓を不必要に痛めるなんて、本末転倒です。
また、テープを張替える時期を誤ると、福音弓なら張替えれば済みますが、
他の中国製の弓だと確実に廃棄処分行きです。
「使い捨ての中国製の弓だから構わない」というのであれば止めませんが、
まだ使えるはずの弓を無駄に弓を痛めたくないのなら、
デンペン保護テープは止めるべきです。
それに、交換時期をうっかり遅らせてしまうと、
ベタベタが手に負えなくなり、強い薬品が必要になります。
その薬品が手に入らない人はどうしようもなくなって、苦肉の策として
更にテープを上張りするという暴挙に出ます。
そうなると、もはやテープ無しではいられない負の連鎖に陥ります。。。
又或る人々は、
テープを剥がそうとしてデンペンまで取れてしまったりしています。
ほんと、デンペン保護テープに良い事は無いです。


なぜデンペンの話をしたかと言うと、
この日、「デンペンを頻繁に替えると皮が痛む」と先生に言われたかたが
ご来店されたからです。
そのかたの先生は、おそらく過去に、
実際に皮を痛めてしまったのでそう仰ったのでしょう。
しかし日頃皆さんの誰よりも蛇皮を扱っている西野が断言します、

「蛇皮はそんなにヤワじゃない!」

手荒い扱いをしなければ、取り扱いを間違えなければ、
デンペン交換くらいじゃ蛇皮は痛みません!
そしてそのお客様のデンペンは、
結果として、皮が痛むのを恐れた先生が付けたので
ボンドもちょびっとしか付いておらず浮き上がってしまっていましたし、
しかも付け方が拙く、それが原因で雑音を生み出していました。
デンペンから雑音が出れば保護テープも貼りたくなりますよね。。。
しかし、デンペンそのものがきちんと貼れていれば雑音など出ないし、
テープは全く不要です。
それを実感した或る遠方の会員さんは、
ご自分が所有する二胡全てのデンペンを光舜堂仕様にするべく、
現在、次々に工房へ送り込んでいらしています(笑)
最近ご依頼の九州からのお客様も同様で、「保護テープが無い事で
こんなにもロングトーンが綺麗に出せるのかと感激しました」と
メッセージを下さいました。
雑音が出るようなデンペンは加工が粗かったり雑なだけであって、
本来デンペンは、保護テープ必須な部位じゃないですよ?

ですから、雑音の出ない、保護テープ要らずのデンペンにしたかったら、
どうぞ光舜堂にお任せくださいね♪
そして、福音弓のユーザーさんは特に、デンペン保護テープは止めないと、
せっかくの高い弓がダメになりますよ。
くれぐれもお気をつけ下さいね。


という事で、今週もご来店ありがとうございました!

Comments (2)    この記事についてブログを書く
« 名器の基準。 | TOP | 光舜堂のデンペンは »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご質問の件 (ほぉ)
2017-08-19 12:30:37
私は高級感のある『宇南二胡』が好きですが、
西野は『やまと二胡』の音色を推して気に入っていますよ。弾き込んでいくと『宇南二胡』に負けない音色に育つそうです。
音色は好みの問題でしょう、どの種類であっても1把1把違いますから。
なにより、シャム柿の材は乾燥度の問題で希少なので、『宇南二胡』はもう作らないのです。
それに、欲の無い西野は、皆さんにシャム柿を安く提供したいと考えているので『やまと二胡』での製作に移したいそうです。

『やまと二胡』は良いところだらけの二胡で、
音色の深さや複雑さもあります。
作り方の複雑さから、常識的に考えたら技術料として『宇南二胡』と同等に高額になってもおかしくないのに、
欲の無い西野は自分の高度な特殊技術に関して値段を上乗せしません。
ですから、お買い得は『やまと二胡』でしょう。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-08-19 11:57:56
質問ですが、一枚板造りの宇南二胡と複合造り(同じ木ではない色々なシャム柿?を合わせて造られた?)のやまと二胡の場合同じシャム柿だけれども、音色は違ってくるのでしょうか。
どちらが良いとかあるのでしょうか? 好みの問題でしょうか。宜しくお願い致します。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ○営業日の報告日記