これは言わずにはいられない。

先日見えたお客様のお持ちの二胡、ある中国人二胡奏者の持っている二胡と同じメーカーの物でした。

しかし変なのです。

皮が、その楽器の木の部分とちぐはぐなのです。

そして高音部の雑音。

そしてウルフトーン。

全体に、こんなはずはないというくらいにガサツキが有りました。

裏から覗いてみると、なんだか、６角形の接続部分に２か所変な盛り上がりが有ります。

それも、皮から、２０ミリぐらいの、重低音と、ウルフトーンを司る部分です。

もちろん私の作った物の初期の物にもこのような荒らした部分というのは有りますが、

６角形全てに施しますから、バランスは取れるのです。

ところがこれは、内部の厚さのバランスがとれていません、これでは雑音出るわけですね。

不思議なのは、いつ誰がこんな事をしたのか、という事です。

多分、皮を張る前に、木の接ぎの部分に欠陥があって、補修したか、

あるいは、日本に来てから、接ぎの部分を補修して、それから皮を張り替えたかです。

ところがお聞きすると、本来３０万を超える高額商品にもかかわらず、

これに限って半額にすると言われた、とのことでした。

商品に何かが有るということでの値引きならわかります。

そのように言われれば、もしかしたら購入しなかったかも知れませんし、

これを売った方は当然分かって売っていたのだと思います、

直らない雑音だという事を。

これは、皮張り替えて、その時に内部を削るしか方法は無いのですから。

わからないならともかく、わかっていても半額と言うのは、変ですね。

雑音だらけなら、貴方は購入しますか？

いかにも二胡には雑音が付きものの様な言い方をして売るというのは、これは許し難いことではないでしょうか。

エンジンに欠陥ある車、それを内緒で、これに限りやすくしますよと言われたのと同じではないでしょうか。

画面がちらつくモニターを当たり前のように売るのと同じではないでしょうか。

確かに、今の二胡の販売の状態、すべてが、こうだとは言いません。

しかし、どうせ解らないだろうから、隠して安く売ってしまえという姿勢、

ましてや、高額な物にでも、ありうる現状だという事を、皆さんちゃんと考えてから購入された方がよいと思います。

大変悲しいことに、これはどんな楽器の販売する方のところでも起こりうるというのが、なんだか情けないですね。

二胡ってこんなものとは、思ってほしくないのです。

でも、雑音が止まらず、二胡から離れていった方も多いと聞きます。

とりあえず、雑音で、悩まされている方、持って来て下さい。

調整でなんとか頑張ってみますから。最悪皮張り替えさえすれば、健全には鳴らせます。その時に内部を見ることができますから、補修できます。