まず曲げてみます。
そんな折れるほどにまげてテストをすること自体間違いだと、ある中国人の、或る二胡の製作かからお小言をいただきましたが、
私はあえて曲げます。
節の所で虫が食っていることもありますので、これは確認しないわけにはいかないのです。
竹は切る時期によって虫が付くこともあるのです。
ましてや切る時期によって強度も違います。
それからそのまま使えそうなものと硬くて太い物、
といっても通常7,5ミリぐらいの太さですが8ミリあるとかなり太く感じます。
そして柔らかすぎる物、これは、かなり柔らかく腰の無いものです。
これらを選別して、
まずは柔らかすぎる物を硬くします。
竹は、内部に相当な量の油分を持っています。
この油分が、弓には邪魔な、柔らかさを維持します。
この油は、熱をかける事により抜く事が出来ます。
これを「焙り竹」と言って昔から和弓などの竹の反発力を強くするための竹の下ごしらえです。
でも熱をかけすぎれば、炭になって折れてしまいます。
これは難しいです。
二胡の弓は手元のホントに敏感な動きを、先端にまで綺麗に伝えられれば、とても良い弓が出来上がります。
手元でくにゅっと曲がってしまうと、そこで力をそがれてしまい、無駄な力を入れる事になってしまいますし。
速弾きなどとてもできません。
だからこそ手元の部分の強度節の部分の強さと言うのは必要ですし、細いものより太い物の方が良く音色を出しもします。
細い竹が良いと言う方はむしろ音色を犠牲にした弓を選ぶことになるのです。
弓は重さで弾くという事を考えれば、バランスを取った上で、適性な重さが必要です
100本の竹で、まずは20本は折れます。
それから、硬すぎるのが、15本くらいしょうか。
これは実はとても役に立ことが判明したのです。
それはたぶん来年になって作るであろう、中胡または二泉二胡と言われる低音の二胡用の弓になります。