二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡は水拭き厳禁、特に塗装してある物。

2016-10-05 16:50:20 | ■工房便り 総合 
修理をしていて、

塗装した二胡を預かることもあります。

古い物は10年ぐらい前の物や、最近の物など。

最近の二胡で塗装をしてあるのは、4,5万円から中には7,8万円の物も在ります。

昔の10年くらい前の塗装と言うのは、ほとんどが、ラッカー塗装でした。

割ときれいに、吹いてあり(ガン吹き)ほとんどが、色を混ぜて多少元の色から黒い色にしてあります。

またそれ以前の棹の丸いものなどはかなりしっかりと真っ黒に縫ってある物も在ります。

塗装も状態としてはなかなかに良い物でした。

ところが最近の物は、どうやら、水性の塗料を使っているようです。

塗装してある楽器は、胴の棹に近い部分などは、弓の毛で塗料が徐々に剥がれてきます。

そこでその部分を少し補修したりするために、念のためにアルコールで拭いたりします。

ラッカーは、アルコールで拭いても融けたりはしませんが、

水溶性の塗料と言うのはアルコールで融けます。

また、水性の塗料に顔料を入れて色を変えてあるので、

塗装が甘いと、手の汗などでかすかに取れてきたりもします。

ですから最近の二胡は弾いているうちに手が赤くなったりもする物も出て来ています。

いくら安い楽器でも流石に花梨などを使っていますと、花梨材も随分油分の多い木なのです。

という事は、水性塗料というのは乗りにくいのです。

この事、いくら安くするためとはいえ、少しは考えられないのかと、

同じ楽器造りとしては、MUっとします。

皆さんにはわかりにくいかもしれません、

でも、弾いているうちに手の汗で手が赤くなってきたりした時には、

反対に、ワックスを塗ってしまって下さい。

家具用の油性のワックスが販売されています。

これで少しは保護できると思いますが、

いずれにせよ、弾いているうちには落ちてきてしまいます。

そして胴にワックスをかけた時には30分くらい乾かして、しっかりと拭き込んでください。

そうでないと弓の毛にワックスが付いてしまい、弓の毛が痛みます。
(弓の毛は手の油でも厳禁です)

時間が経つと、少しずつ剥げてきた塗料は服についたりすることもありますのでくれぐれもお気をつけ下さい。

また、水拭きも厳禁です、そしてアルコールも。
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