二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡とバイオリン、バイオリンが変化し始める。

2013-04-10 09:27:12 | ■工房便り 総合 
この300年バイオリンは大きく鳴るというのを追求してきていました。

それは、音楽する環境が変化したからでもあります。

どんどん大きなホールでの演奏になり楽器の鳴りと言うのが求められたからです。

完成度としても、もうこれ以上は無いという所まで完成しているようです。

ところがこの50年くらい音楽環境がまた変化してきています。

それは電子的な音響と言うのがとても発達したと事です。

スピカ-もマイクも、またそれらを調整する音響機器も、その場の環境に合わせて、最大に楽器の音をよい状態に出来るようになったのです。

現実に、たいして高音の出ない二胡でも、この音響を上手く使えば一台の二胡が、オーケストラのボリュームに匹敵して、協奏曲など演奏出来てしまうのです。

音楽の広がりも、生の音と言うのはほとんど見受けられません、CDや、iポッド、などの電子系が主力です。

多分みなさんも音楽を聞くというのがほとんどこの、CDなどでしょう、或いはユーチューブ。

ボリュームも鳴りもこれらは自由に作れます。

反対に今ヨーロッパで、或いはアメリカなどの、元々のバイオリンを愛用していた世界の人達が、古楽器の演奏を好むようになってきています。

ビオラダモーレ、ビオラダガンバ、ブロックフレーテ、チェンバロ、などの古い楽器の演奏会と言うのがとても増えて来ているのです。

理由は音色です。

楽器の音色を、その音色が作り出す楽器達のハーモニーと言うのがとても大切にされ始めています。

二胡の世界でも同じことが言えます。

いま、皆さんが聴きに行く二胡の演奏会で、音響機器を使っていない演奏会と言うのは殆ど無いと思います。

元々が小さい音の二胡は、伴奏楽器などに負けてしまうからでもあります。

一時期、二胡の音を大きく伴奏楽器に負けないようにと、8角形の二胡などが作られて来ました。

今中国では殆ど、8角形の二胡を使う演奏家と言うのはいないようです。

又楽器としても販売されていないようです。

むしろ、日本に、8角形の二胡の音を好む人が居るくらいです。

二胡は音色と言われます。

その大元はやはり、6角形なのでしょう。

あれだけ、楽器のボリュームと言うのを重視する、ジョージガオさんでさえ、8角形は使っていません。

8角形は、日本に残るペルシャ時代の琵琶と同じように、日本にだけ残るかもしれません。

中国の琵琶は、元々は今日本に残っている琵琶と同じような構造でしたが、その後どんどん変化して、現在の形になっています。

このように音響機器が発達するとは、50年前の人はだれも思っていなかったでしょう。

せいぜい録音出来るということぐらいでした。

コンピューターと音響機器が組み合わさり、録音時に幾らでも変化させられるのです。

あるいは演奏会場で効果的な鳴りになるように変えられます。

その時、楽器に求められるのは、基本的な音色だけのような気がします。

バイオリンもこれからは、音色中心に作られていくような気がするのは私だけでしょうか。

二胡の世界も幾ら小さな音とは言え、最低限音色を引き出す鳴りと言うのが実現すれば、やはりその方向に行くのでしょうね。

楽器の好みも、楽器の形状も、時代とともに変化するのでしょう。


















Comment    この記事についてブログを書く
« mionのライヴ、2つ続け... | TOP | 次の記事へ »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合