全州評議会
全州評議会の構成
【第60条】
1 全州評議会は、各州ごとに10人の代議員から成る単一の代議員団で構成される。
2 10人の代議員は、以下のとおりである。
(a)次の者から成る4人の特別代議員
(ⅰ) 州首相または州首相に支障があるときは一般的か、もしくは全州評議会における何らかの特定任務のいずれかのために州首相によって指名された州議会の任意の代議員
(ⅱ) その他3人の特別代議員
(b)第61条第2項の規定によって任命される6人の常任代議員
3 州首相または州首相に支障があるときは州首相に指名された代議員が、代議員団長となる。
本条から第72条までは、国民議会とともに二院制の対を成す全州評議会の構成や権限等に関する細目が規定されている。本条に示されるように、全州評議会は各州の代議員団で構成される州の代表機関としての性格を持つ。連邦国家ならではの構成である。
全州評議会代議員は基本的に州議会による複選制であるが、特別代議員と常任代議員の二種類があり、任命方法も異なり、複雑である。
代議員の配分
【第61条】
1 州議会に議席を有する政党は、附則第3条B部に示された方式に従い、州の代議員団に代議員を出す権利を有する。
2
(a)州議会は、その選挙結果が公布された後30日以内に‐
(ⅰ) 国の法律に従い、各政党の代議員のうち常任議員となる者の数及び特別代議員となる者の数を決定しなければならず、かつ
(ⅱ) 政党の指名に従い、常任代議員を任命しなければならない。
(b)削除
[b号は2008年第14次憲法修正法第1条により削除]
[第2項は2002年第9次憲法修正法第1条及び2008年第14次憲法修正法第1条により改正]
3 第2項a号で想定される国の法律は、少数政党が民主主義にかなった仕方で常任及び特別代議員双方を出すことを保障しなければならない。
4 州議会は、州首相及び全州評議会に特別代議員を出す権利を有する政党の党首の合意をもって、州議会議員の中から、必要な時に応じて特別代議員を任命しなければならない。
本条は、全州評議会議席の配分に関して、州議会における議席数に応じた配分の方式を定める。少数政党への配慮条項がここにも見られるのは、南ア憲法の特徴である。
常任代議員
【第62条】
1 常任代議員の候補者は、州議会議員の被選挙権者でなければならない。
2 州議会議員が常任代議員に任命されたときは、州議会議員ではなくなる。
3 常任代議員は、次の時に満了する任期をもって任命される。
(a)次期選挙後、州評議会の最初の会期の直前
(b)削除
[b号は2008年第14次憲法修正法第2条により削除]
[第3項は2002年第9次憲法修正法第2条及び2008年第14次憲法修正法第2条により改正]
4 以下の各場合に、常任代議員は議席を失う。
(a)常任代議員への任命以外の何らかの理由で州議会議員の被選挙権を失った場合。
(b)閣僚となった場合。
(c)州議会の信任を失い、当該議員を公認した政党から召還された場合。
(d)当該議員を公認した政党の党員でなくなり、その政党から召還された場合。または
(e)州議会の規則及び命令が常任代議員の議席喪失を規定する状況で、許可なく全州評議会を欠席した場合。
5 常任代議員の欠員は、国の法律の定めるところにより補充されなければならない。
6 常任代議員は、全州評議会でその職務を開始する前に、附則第2条に従い、共和国への忠誠及び憲法への服従を宣誓し、または誓約しなければならない。
本条は全州評議会の中核的なメンバーとなる常任代議員の資格や議席喪失について、細目を定めている。政党ベースであるため、所属政党による召還が議席喪失に直結する。また当然とはいえ、法令が認めない無断欠席は議席喪失事由となる。ただし、国民議会議員とは異なり、全州評議会代議員の場合は州の法令の定めによる。