農林水産業関係機関成果発表会(水産分科会)の概要の第三弾は「カワウの胃内容物調査」「利根川サケの回帰状況」「利根川大型ヤマメの降海型と河川残留型の判別」の三課題・・・
まずは「「カワウの胃内容物調査 ~カワウは何を食べているのか?~」について・・・
カワウは一時は絶滅寸前まで行ったのだけど棲息域を河口付近から中流域にお引っ越しをしてからはバウンドして大増殖・・・
繁殖能力が高くて、移動能力が高くて、潜水能力が高くて、大食漢となれば被害も大きいわけだ・・・
碓氷川の安中・磯部地区と鏑川で駆除した60羽について胃の内容物調査した結果が今回の発表内容だ・・・
早速、結果を見てみよう・・・この60羽は平均的に小振りなのかな!
胃の内容物(魚類)は14種におよび、月別にみると4・5月はウグイやオイカワ、ヨシノボリ類が多く、6月になってアユやコイが出現してくる・・・
6月のアユの割合が思ったよりも少ないよね!
この理由として、 ①カワウの追い払い効果が出た ②アユの生息量が少ない ③アユの逃げ足が速い と言うことが考えられる。 ②が原因と言うことは考えたくないけど一番濃厚かもしれないね (あくまでも私見・・・笑)
そしてカワウの食性が季節によって変動し、捕食しやすいサイズまで成長した魚、かつ隠れる場所が無く、逃げ足の遅い魚を狙っていることが予測できる。
このような食性からカワウの被害防止には魚の隠れ場所の提供や着水防止、追い払いが有効と提案している・・・分かっちゃいるけど現場は大変なんだよ!
そして「利根川サケの回帰状況 ~経緯と現状~」・・・
利根川は太平洋側でサケが回帰する南限の河川・・・徳川幕府の利根東遷以前は銚子に流れ込んでいた川は常陸川だけどね(その当時の利根川は東京湾(江戸湾)に流れてこんでいたからサケは居ないのだ)
戦前は多くのサケが遡上していた利根川も戦後の1950年代には遡上は激減してしまった。
その後、十数万尾もの稚魚を放流して利根川に遡上してくるサケを増やす努力をしたけれど2000年ころまでは僅か3桁だった・・・
2007年以降、遡上サケから採卵した稚魚のみを放流し始めて遡上量は増加し始めて2013年には18,000尾を越えたが、最近は乱高下している・・・
サケの回帰量の乱高下や減少の原因ははっきりはしないけれど、海洋環境の悪化? 遡上前の乱獲? などが考えられるのかな・・・
そして1月14日にも別の場所で発表され、ちょこっと取り上げた「利根川大型ヤマメの降海型と河川残留型の判別 ~大型ヤマメはサクラマスなのか~」
この程度の説明は要らないのだろうけど・・・サクラマスとヤマメの違いは生態が違うだけ!
群馬県内の利根川には両方が居るので判別はどうするのかと言うことなのだ・・・海まで降りたサクラマスは海水のストロンチウム濃度が高いので耳石の濃度が変わるのだという・・・
利根川で捕獲した大型ヤマメ35尾を魚体測定して耳石検査したところ、24尾が降海型で11尾が河川残留型だった。
そして魚体サイズで並べると降海型(サクラマス)の方が全長が大きい検体が多く、35~40cmが区分の目安だったということだ!
メスの方が河川残留型でもばらつきが見られるが、オスは明確に分かれたらしい・・・
次は最終回でアユ関係を予定している・・・まとめる気になればの話だけど(笑)
「水産関係の研究って面白いね!」と・・・ (↓) 応援クリック よろしくお願いします! (3736話目)
「人気ブログランキング」にも参加しています。
![]() |
渓流2018春 (別冊つり人Vol.460) |
クリエーター情報なし | |
つり人社 |