定年後の暮らしを海外に求める人の生き方が紹介されている。
気候も温暖で物価も安く、暮らし安い。広い家に住めて、日本の年金だけで十分暮らせる。と夢の様な話が紹介されている。
現実、フイリピン、シンガポール、タイ、等東南アジアの諸国で暮らす日本人の定年退職者は増えているようだ。一人で月に国民年金6万円、厚生年金10万円、合計16万円くらいで過ごすことは可能な様だ。夫婦で移住なら妻の年金6万円が加算され世帯で22万くらいとなり、かなり余裕すらある。所得水準が半分以下の諸国で暮らす場合はそう感じることは確かにある。
日本では国民年金だけで老後を過ごすことはかなり困難である。特番では月6万円の年金だけでマニラで暮らしている人の事例が出ていた。
健康な時は暮らせたが今は困難という。
一番問題となっている点は日本の医療制度の恩恵を受けられないことだ。
住民票を移住先に移すと日本の医療制度の恩恵は受けられない。当然だが、移住を決める当時、健康の場合、あまり医療費について考慮していなかった。と言う人ばかりであった。
75歳以上の場合、日本の後期高齢者医療のありがたさを考慮せざるを得ない。高額医療費の手厚い制度。医療費が払えなくて治療を受けられないケースは少ない。
海外移住先は月10万円で24時間介護が受けられるということで施設に入った人がいた。しかし、終末期に入り多くの病気が見つかり、医療費の負担は自費となった。月12万円の医療費が払えない。やむなく帰国。日本で治療(生活保護)というケースである。
海外では人件費は安いが医療費負担は自弁せねばならない。この事情をよく理解して移住せねばなるまい。日本に帰国できる拠点を残すことは必要な様だ。
優雅な年金暮らしをしている海外移住組。病気が出た際の蓄えと日本での拠点づくり。くれぐれもお忘れなく。