アンティーク=骨董品の事である。大家族時代は実に多くの骨董品が家に残されていた。
昨今、核家族化が進み、小規模住宅に住む人が増え、備え付けの家具、ウオークイン、クローゼットの家が増えた。新しい家に引っ越す際、古い家具が収めにくい家が増えた。
家が狭いので新しいものを買うと古いものは処分してしまう。引越しをする際、古物商を呼んで大量処分している。買取価格は二足三文だ。軽トラ一台分引き取って5千円。という場合が多い。雑誌、食器、ガラス類などは引き取らない。ゴミとして出すしかない。
骨董品として価値が出るまで数十年の期間と希少性、材質、美観、市場性が的確に目利きできないと保存していても売れる可能性は低い。狭い空間しか持てない日本の住宅環境では倉庫、納屋、蔵等、大量に保存できるスペースを持つ世帯は少ない。
欧米のアンテーク家具、業界の市の様子を見ると、古い家具を大切に補修して使い続ける家庭の様子を見ることがある。多くの人々が楽しんで購入している。
日本はどうかというと骨董業界はマニアの世界。かなり市場規模としては厳しい環境の様だ。オークション市場も活気が無い。お店に足を運ぶ人も多くはない。大手ホームセンターに開店したアンテーク店も先日撤退していた。補修技術者が少なく、品物の回転も悪い。
ブックオフ、ハードオフと新たな形態の店が幅を利かせている。
質流れセールも活気が無い。
開運!なんでも鑑定団での「中島誠之助」「北原照久」「長井龍之介」等の鑑定でブームが起きたが、逆に学の無い収集家の熱を冷ましてしまった面も見逃せない。
苦労して収集しても二足三文の売価を経験すると熱は一気に覚めてしまう。
切手、コイン等額面以上に売れた経験の無い多くの収集家の落胆が業界常識が広まってブームを押し下げた面もある。カタログ等あっても価格評価は全くあてにならない。
労多くして益少なしの業界の様である。
趣味で集めるは良しとしよう。売って利益を目指す市場探しはこの時代旨みがなくなっている気がする。18年に及ぶTV東京のバラエテイ番組の功罪である。