8月28日  助詞ひとつ・・・

2006-08-28 06:16:16 | Weblog


    蕪村忌に呉春の画きし蕪かな   正岡子規

たまには知ったかぶって講釈をのたまいます。
まずは下の2句を観賞。

  強東風に八百屋玻璃戸を閉(さ)ししまま

  東風強し八百屋玻璃戸を閉ししまま

この句の出来栄えはともかく
俳句を何年やっても師匠から「説明くさい」と言われる事は
多いと思います。でも実際あきらかな区切りとは分かりずらく
上の句の 強東風にの「に」が噂の説明の種で、我々もよく
上五の五音節目に使うことが多いと思います。何でもかんでも
「に」が説明になるというわけでないので例句と添削句を見比べ
てみます。「東風」と言う季語は春季に東または北東から吹く風
で、比較的強い場合に「強東風」といい、春風の麗らかさに
(欄春)にたいして早春の強い感じがある。
この季語に対して「に」を付けると、解釈は・・・
早春の北東からの強い風に(のために)八百屋は玻璃戸を
閉ざしたままである。になり閉ざした理由を説明をしている
わけで、では「東風強し」ではどうだろう?
解釈は、八百屋が玻璃戸を閉ざしたままだ、この東風のせい
だろうか?それとも何かあったのだろうか?  のように
八百屋が玻璃戸を閉ざしている因果がうすれ、眼目の物語の
解釈が膨らんでくる。  俳句ばかりでなく「文法」となると
なかなか勉強をすることに億劫になります。でもこのように
推敲して投句するまえに自解をすると分かりやすいのです。
それを体感することが説明からの抜け道です。

掲句の子規の句は逆に五音節めの「に」で眼目へ因果を
もたせています。


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