古書店に長居のひとり秋しぐれ ころころ
今日は古書の日、と言っても平成15年からのこと。
前にはよく神田の古書店めぐりなどしていたけど、掘り出し物
などはフリーマーケットのほうが有るかも知れない。
今日の写真。何故かいつからかは全く覚えがないのですが、
本棚の一角を占拠している。
泉鏡花集(現代文学全集14篇、昭和3年9月1日発行)ですが
一度も読んだことがない。外科室、枇杷傳、一之巻から誓之巻、
・・・中略・・・婦系図、歌行燈、などなど28編、末巻に発句があり
きっと、それだけで買った気がする。
「冬」
湯の山の村村おなじ小菊かな
川添の飴屋油屋時雨けり
片時雨杉葉けかたる軒暗し
暁や尾上を一つ行く千鳥
路傍の石に夕日や枯すゝき
こがらしや噴水に飛ぶ鉋屑
鵺の額かゝる霙の峰の堂
京に入りて市の鯨を見たりけり
松明投げて獣老ひやる枯野かな
猪やてんてれつくてんてれつくと
臥猪かと驚く朴の落葉かな
山茶花にこの熱燗の恥かしき
凩や天狗が築く一夜塔
ピンゾロの丁と起きたり鐘氷る
蔵前や師走月夜の炭俵