12月 20日

2012-12-19 23:02:15 | Weblog
            ( 茎菜、菜漬け、漬菜 )


蕪や大根の茎や葉の塩漬け。三冬の季語



茎漬に霰のやうに塩をふる          細見綾子


母の背に風があつまる冬菜漬         橋本榮治


漬菜石赤児のように洗われて         藤嶋まさと


茎漬や伊那をゆつくり風の神         磯貝碧蹄館


ほろびゆく物の一つに漬菜踏         滝澤眞保子


花嫁の手を憐むや茎菜漬           尾崎紅葉



     伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 19日

2012-12-19 01:02:25 | Weblog
              ( 霜柱・霜・霜の花・はだれ霜・朝霜・・)



日の出待つ霜の藁塚地に充てり          沢木欣一


障子際に帯おいて寝る霜夜かな          細見綾子


太陽に歯を食ひしばり霜柱             大串 章


強霜の富士や力を裾までも             飯田龍太


霜柱土の中まで日が射して             矢島渚男


薪投げて登り窯たく霜日和             石原八束


霜の墓抱き起されしとき見たり           石田 波郷






伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html




窯出しの皿の音澄む霜夜かな        八尋樹炎


寒天田まで敷板に霜の花           市原美幸


霜柱大き田螺を持ち上ぐる          青木しげ子


産声待つ霜夜の廊下行き来して       矢野孝子


霜立つや子規の墓域に二寸ほど       田畑 龍



    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 18日

2012-12-18 00:20:28 | Weblog
             ( 浅草羽子板市 )


昨日17日から19日の3日間浅草浅草寺境内で恒例の羽子板市が
たちます。江戸時代もともとは歳の市として浅草観音に限られた行事で
納め観音にあたる12月17,18日に開催されたもの。今では羽子板市
が前面に紹介されていますが,正月飾りなども売られていたそうです
現在本堂裏でガサ市として15~28日くらいまで正月飾りが売られています。

羽子板はご承知の通り、女の子の初節句に「邪気を祓う板」とした起源が
あります。三十数年まえにわが娘の為に買った普通の大きさの羽子板が
1万円以上でしたから、今の値段はわかりません。でもきっと高価でしょう
お土産のお勧めは追羽根です。この羽についている黒い玉は、「 無患子」
(むくろじ)という大木の種です。     
読んでの ごとく「子が患わ無い」(こがわずらわない)という意味で、
縁起の良い名前です



うつくしき羽子板市や買はで過ぐ        高浜虚子


似顔みな紅さし灯る羽子板市          長谷川かな女


羽子板市切られの与三は横を向き        石原八束


よその子に買ふ羽子板を見て歩く        富安風生


羽子板市三日の栄華つくしけり         水原秋櫻子








    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月 17日

2012-12-17 00:50:41 | Weblog
             ( 鰤・寒鰤 )



鰤あげ場提灯をどる男の肩          細見綾子


寒鰤や飛騨を越え来し塩こぼす        中澤康人


年取の大鰤梁につるしたり          滝沢伊代次


二三言言ひて寒鰤置いてゆく         能村登四郎


鰤敷に八重の高浪たゝみ来る         鈴鹿野風呂


酒すすむ氷見の寒鰤刺身かな         山口耕堂








伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



目玉まで食べ尽したり寒の鰤        篠田法子


だみ声を張つて初鰤糶り落す        篠田法子


寒鰤のかま断つて出刃曇りけり       大島知津


皺の手で大鰤捌く朝市女           武藤光



    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 16日

2012-12-16 01:22:15 | Weblog
           ( 燗の酒・熱燗 )


肴は炙った烏賊でいい♪ 私の酒肴のような歌の文句
ころころは烏賊の一夜干で日本酒2合まで、その後肴は必要なくなります
今月に入って忘年会を3つこなして後2つ、仕事がらみで飲む酒は幾ら飲んでも酔えません
句会は勿論良いけれど、句会のあとの反省会で飲む酒は格別です
反省会といっても反省している人は一人も見かけませんが・・・


こんにやくで飲む酒熱し窪垣内        沢木欣一


亭主健在おでんの酒のよいお燗        富安風生


燗熱し獄を罵しる口ひらく            秋元不死男


燗熱し話科学者らしく聴く            森田峠


骨酒の燗熱ければ舌鳴りぬ           鈴木鷹夫





      伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 15日

2012-12-14 23:28:10 | Weblog
              ( 煤払い・煤竹・煤逃げ )


上野より富士見ゆる日や煤払ひ       沢木欣一

 
煤払ひ神官畳めつた打ち           林 徹


煤逃げの選句電車にしてゐたり        茨木和生


打ちしなふ煤竹僧をよろめかす        小松 幸


煤逃げに来し娘の家も煤払          串 淳子


朝護摩を焚きて始まる煤払           玉手文武




    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 14日

2012-12-13 22:04:20 | Weblog
             (  義士討ち入りの日 )



元禄15年12月14日の晩(今の時刻では15日の午前4時頃だが、当時は明け方
から1日が始まる感覚があったので14日深夜と考える)、赤穂浪士47名が
吉良上野介邸に押し入り、上野介を殺害して主君の仇を討ちました。
物語は「忠臣蔵」として語り継がれています

この吉良邸があるのがJR両国駅近く 徒歩8分程度のところでしょうか
現在では吉良邸の一部を残しているのみです
丁度深川に芭蕉が庵を構えていた頃の出来事です
*私も大いに勘違いしていた事に 義士祭は4月1日~7日赤穂義士の霊を祭つる催しで春の季語







吉良邸跡


松に月義士討入の日なりけり          安住 敦


義士の日や本所に老いて吉良贔屓      大島民郎


安兵衛の討ち入りしたる日なりけり      角川春樹


義士会や浅野家の墓所浪速にも        大橋敦子


義士会の仮装の列に蹤きゆけり        小林螢二


義士の日のいつとはなしの円座かな       吉田鴻司




      伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 12日

2012-12-12 15:41:31 | Weblog
             ( 歳の市 )

埼玉県さいたま市の調(つきのみや)神社では毎年12月12日に新年の福迎え行事として
行われる大歳の市が「十二日市(じゅうににちまち)です。明治時代から続く伝統の大歳の市。
露店の数は約1000店。福をのぞむ多くの人たちでにぎわいます。
境内の外れには、季節はずれのお化け屋敷の小屋が掛かりました
この調神社の社伝『調宮縁起』によれば、開化天皇3年(紀元前156年)に創建されたとされる
古い神社で鳥居が無く、狛犬の代わりに狛兎、手水舎の竜の代わりがやはり兎で兎の神社と
呼ばれることもあります



年の市煙を昇る火の粉疾し          小川軽舟


大笊に小笊を重ね年の市           荻原朋子


姉さんと呼ばれてふりむく歳の市       宇多喜代子


啄木の歌集も並び歳の市           林 昌華


引当てし鰤一本や歳の市           小野喬樹














       伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 11日

2012-12-11 15:38:56 | Weblog
            ( 小沢昭一逝く・俳号変哲 )


昨日10日 俳優で俳人 小沢昭一さんが亡くなりました 83歳とか
森光子さん、中村勘三郎さん、そして変哲さん 
ますます昭和の名優が少なくなっています


ふろふきや猫嗅ぎ寄りて離れけり           小沢昭一( 変哲 )


打水や平次が謎を解く時分


バトミントンして凶作の村役場


行くピエロ帰るピエロよ寒夕焼


疲労困ぱいのぱいの字を引く秋の暮


むきだしの命はねたり青がえる


ステテコや彼にも昭和立志伝


時計屋の微動だにせぬ金魚かな


円鏡のラジオやせわし年用意


母の日の常のままなる夕餉かな


腕白に恋らしきもの水鉄砲




    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 10日

2012-12-10 00:07:58 | Weblog
            ( 花八手 )



炭を切る筵明るし花八ッ手           沢木欣一


花八ツ手貧しさおなじなれば安し        大野林火


どの路地のどこ曲つても花八ッ手        菖蒲あや


君発たせ来し駅裏の花八ツ手          寺井谷子


日の落ちて土の香しるき花八手         片山由美子


出家には遺書などいらぬ花八手         無着成恭




   伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする